ジョイナス最後の戦い

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ちんぽジョイナスと土曜日のたわわ

 2016年、もはや胸の大きい女なんて珍しくない。街を歩けば巨乳の女とすれ違う。名古屋でなら5分に1回、豊橋でなら20分に1回くらいの頻度だ。それなのに我々はたわわに揺れる果実たちに触れることはできない。触れるどころか、心行くまま凝視することすら憚られる。乳に夢中な自分を知り合いに見られると思うと気が引けるし、そうでなくても公共の場でリビドーに忠実な自分を曝け出すというのは恥ずかしい。

 

 我々が日常的にひた隠しにする"性的な自己"をモニター越しに受け止めてくれたのが鷲見玲奈アナだった。競馬中継を視聴する我々の前に、鷲見玲奈アナはノースリーブで現れた。既に我々には「競馬中継を視聴したい」という目的が存在していた。それ故に「競馬を見ているのであって巨乳が目的じゃない」と弁明できた。そして弁明は巨乳を凝視したい我々の免罪符と変わっていく…このように鷲見玲奈アナは岐阜産完熟マンゴーと弁明の余地を引き下げて、我々の抑圧された精神を解放したのだ。

 

 鷲見玲奈アナの出演するウイニング競馬は"解放区"だった。鷲見玲奈アナは肉体を解放し、我々は精神を解放できた。そんな"解放区"が今年いっぱいで閉ざされてしまう。上機嫌でインタビューを受ける武豊戸崎圭太の姿も、きっと見られなくなるかもしれない。テレビ東京よ、考え直してくれないだろうか。

映像と音声が見せる<別の世界> ~やっぱり僕らには難しいよグラスリップ~

「映像」と「声」の出会い

alternative991.hatenablog.jp

 

 閃光から一定のタイムラグを経て、音が炸裂する。これが我々の知る花火だ。しかしアニメの世界では、閃光と同時に音が鳴り響く。おもしろいことに我々はそのことを何ら違和感なく受け入れている。余りにも違和感がなさすぎて、リンクした記事を読むまで自分もその事実に気付かなかった。

 リンクしたAlternative991さんの記事では、花火の音響について語った声優・音響監督の郷田ほずみ氏(旧H×Hアニメのレオリオ役の人)のインタビューの引用と共に、『グラスリップ』1話で閃光と同時に音が鳴る花火に混じって、光と音にリアルな時間差がある花火が舞い上がるという指摘があった。神社の階段を上る雪哉と祐が見逃す大きな打ち上げ花火がそれである。

gigazine.net

 これを読んだ当時*1は「何か引っかかる」程度にしか実感できなかったが、数か月経ってようやく気付いた。光と音がリアルにズレた花火の存在に、透子と駆を重ねられるではないかと。

*1:2016年6月

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GJ部/GJ部@ 雑感

空間と時間の有限性

 「GJ部」ではGJ部*1は空間と時間の有限性の関連が描かれている。

 「GJ部」では部室で文化祭の準備する様子は描かれても肝心の文化祭の様子は描かれないように、部室の外で部活動に及ぶシーンは意図的にカットされている。またプールに行くという話の流れだったのに、部室で水着になって戯れるだけで彼らは満足してしまう。その一方でキョロと真央のデート(?)や、キョロの天使邸訪問はこれは部活動の枠外だと言わんばかりに描写されている。家では「真央でいいよ」とキョロに言う真央。ここでは自分が「部長」ではなく「真央」だと示すことで、これが部活の枠外だということを示唆する。

*1:「」アリ表記は作品としてのGJ部、「」ナシは作中の部活としてのGJ部…という区別

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石動乃絵の「孤立」と「帰還」

石動乃絵の「宗教」

 仲上眞一郎と石動乃絵が初めて出会ったとき、乃絵は赤い木の実を取ろうと木に登っていた。赤い実は"天空の食事"で、これから気高く"飛ぶ"ものたちが口にするものだ。乃絵は"天空の食事"をニワトリの雷轟丸に与え、彼の涙をもらうという。乃絵は祖母の死を契機に泣けなくなった。再び泣けるようになるためには、気高く"飛ぶ"ものの涙が必要なのだ。

 ニワトリの涙を手に入れようとする乃絵。彼女のやろうとしていることは非科学的で常軌を逸しているように見える。しかしそこには原因と彼女なりの目的が存在する。そして、非科学的だがある原因の解決を目的とするものという点で乃絵の行動原則に近いものを我々は知っている。宗教だ。

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グラスリップにおける「海」と「山」について

 グラスリップでは「海」「山」の対比、対立が作中見え隠れしている。

 一番象徴的なのが7話で深水透子が沖倉駆が転落する"未来のかけら"を見る場面だ。

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 "未来のかけら"を未来予知だと信じ込んでいた透子は、落下する駆のイメージを見て「高いところは危険だから」「山」ではなく「海」に行こうと駆にせがむ。

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「夏に水炊き…最高」と微笑むグラスリップの母親について / グラスリップ考察小ネタ

飛び回るニワトリのジョナサンと彼に翻弄される深水透子の姿を見て、母・深水真理は夕飯に水炊きを作ることを思いつく。 

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しかし真理はシチューが食べたいという透子の提案を「暑いから」という理由で却下している。グラスリップは夏が舞台のアニメ。「暑いから」とシチューを作ることを拒んだ母親が水炊きを作る。不合理な翻意と言わざるをえない。

 

夏なのに「熱いもの」を欲しがる人たちは作中で他にも登場する。

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10話「ジョナサン」では沖倉駆がカゼミチでホットコーヒーを注文する描写が見受けられる。「真夏にホットコーヒーなんて大人だねえ」と評する白崎祐。

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そんな祐を含めたいつものメンバー4人も、最終回でマンデリンを注文する。

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やなぎに駆が「未来のかけら」について説明するシーン。ここで二人が飲むのもホットコーヒー。

 

とりわけ終盤に多々見られた真夏に"熱い"ものを口にするという描写。これにはどんな意味があるのだろうか。

 

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