ジョイナスブログⅡ

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10位 ジャジャマーチャンの15

馬名:トゥラヴェスーラ 生産:社台ファーム 馬主:吉田照哉 調教師:高橋康之・栗東

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  本馬の配合の最高の見どころはダイナサッシュ≒アドマイヤマカディ4×3のニアリークロス。

 ダイナサッシュ、アドマイヤマカディはノーザンテーストプリンスリーギフトが共通。そしてダイナサッシュの3代母Sylkoとアドマイヤマカディの母父父DariusはNearco、Solario、Arion、Securityが共通する相似な血…というのがこのクロスの根拠である。*1

 このニアリークロス該当馬はスノードラゴン(G1スプリンターズS)、ウインブライト(G2スプリングS)、ウインファビラス(G1阪神JF2着)、ペルソナリテ(OPダリア賞)と錚々たる顔ぶれ。少ないサンプルながら、打率、飛距離もなかなかなニックスといえる。

 私のように中途半端に血統をかじった人間は、ニアリークロスやニックスという言葉が大好きだ。これらをまるで成功を保証する魔法の杖のようにありがたがる。ただステゴ×マックのニックスがゴールドシップ以降目立った馬を出せていないように、ニックスというのは成功を必ずしも約束するものではない。ニックス以外の部分も吟味する必要がある。

 

 スノードラゴンら上記の4頭はCozzeneのしなやかさを感じる馬だ。一方募集時の立ち写真や出資者が社台Gツアーで撮影した写真を見た限り本馬トゥラヴェスーラにはノーザンテーストのずんぐりむっくりとした頑強さを感じる。ノーザンテースト5・4×4が強く影響したようである。

 そして母ジャジャマーチャンはピッチ走法で駆けた快速牝馬アストンマーチャンの全妹。父はピッチ走法の名馬ドリームジャーニー。この組み合わせからしなやかに前肢を伸ばして駆けるイメージは浮かばない。

 

 ミゼリコルデの15の記事でも触れたがドリームジャーニー産駒で出世している馬の母にはノーザンダンサーの濃いクロスがない。しかし、母ジャジャマーチャンはノーザンダンサー4×4と濃い。

 

 これらを踏まえるとドリームジャーニー×ジャジャマーチャンという組み合わせは、ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディの成功例、ドリームジャーニー産駒の成功例とはズレた配合だといえる。反省したい指名だった。

 ただ母の濃いノーザンダンサークロスは早熟性の担保という意味では決してマイナスではないだろう。既に入厩済みで、ゲート試験にも合格済み。早くからの指導はできるだろう。調教師の期待が高い、というのは慰めになるだろうか。

11位 ミゼリコルデの15

馬名未定 生産:追分ファーム

オルフェーヴル 母父フェスリエフ

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オルフェーヴルの母母エレクトロアートはヌレイエフとノーザンダンサー、Lady AngelaHyperionThong=Lt.Stevensが共通する。両者はほぼ同血(=ニアリー)といっていい。

 

   ┌〇  ┌Hyperion

   │ └Lady Angela

  ┌ノーザンダンサー

 ┌ノーザンテースト

 │ └△ ┌Hyperion

 │  └Lady Angela

エレクトロアート

 │┌Lt. Stevens

 └△  ┌Hyperion

 └△┌〇

  └△

 

    ┌〇  ┌Hyperion

  │ └Lady Angela

 ┌ノーザンダンサー

Nureyev

 │  ┌Hyperion

 │ ┌〇

 │┌〇

 └△

 └Thong

 

 もうひとつ面白いのはミゼリコルデの母母父Unfuwain

 Unfuwainの母Height of Fashionはディープインパクトの3代母Burghclereの全妹で80年代の名馬Nashwan*1の母。

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 Hyperion3×2の祖母HighlightにFair Trial3×3のQueen's Hussar*2を配合して生まれた母に、濃いクロスのないBustinoを交配されたのがBurghclere-Height of Fashion姉妹。Butinoの父母母父Court Martialを経由でFair Trialを継続しているのもミソだ。良馬ともに母として大成功していることがこの配合の凄さを証明している。

 Height of Fashionと共通する血が多いのがオルフェの母父メジロマックイーンの母の父であるリマンドだ。

 

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 リマンドはHeight of FashionとDonatello、Hyperion、Fair Trialが共通。そしてリマンドの父Alcideの牝祖はHeight of Fashionの牝祖でもあるAloe。リマンドとHeight of Fashionの出会いで、これらの血が一括してクロスされることとなる。

 

 エレクトロアート≒ヌレイエフで父母のパワーを、リマンド≒Height of Fashionで父母の底力を強調するというのがオルフェーヴル×ミゼリコルデという配合。これだけ見ればかなり魅力的である。

 

 しかしよくよく見返すと、母ミゼリコルデのノーザンダンサー3×3という配合が気になる。オルフェーヴルノーザンテースト4×3。ノーザンダンサーの濃い繁殖は、これまたノーザンダンサーの血の濃いオルフェーヴルには合わない気がするのだ。

 オルフェーヴル産駒はまだデビュー前だが、全兄のドリームジャーニーの産駒である程度は類推できる。

 ドリームジャーニー産駒の中でOP級まで出世したのはミライヘノツバサ、エスティタートの2頭。日経賞2着のミライヘノツバサの母タムロブライトは5代アウトブリード。同産駒で2番目に賞金を稼いでいるエスティタートの母スキッフルもノーザンダンサーのクロスはない。

 とりわけミライヘノツバサの配合は、3代母タムロチェリー(2001の阪神JF勝ち馬)にはノーザンダンサー2×5という濃いNDクロスがあることに着目したい。そこにノーザンダンサーの血が全くないシルバーチャームが配されて生まれたのがミライエノツバサの母タムロブライトだ。「ノーザンダンサーの血が一滴もない」というのはエスティータートの母父トニービンにもいえることだ。両者はノーザンダンサー薄め液の役割を果たしている。

 よって自分はノーザンダンサーの薄い繁殖からオルフェーヴルは強い馬を出すのではないかと思っている。なのに、その推測とはかけ離れた母ミゼリコルデをなぜか指名してしまった。できたらこの考察が大外れしてくれれば嬉しいが、現時点では当馬の情報が少ないことを含めても痛恨の指名である。

 おそらく馬主は当馬の兄弟を窪田康志氏で、厩舎は関東の中堅どころになるのではないだろうか。

12位 イチゴイチエの15

 馬名:ハヤブサレジェンド 生産:グランド牧場 馬主:武田修 調教師:伊藤圭三美浦

ヘニーヒューズ 母父マンハッタンカフェ

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 すでに調教である程度の時計を出していて、なおかつ血統が面白かったので指名。

 牝系はいわゆるドイツのSライン。日本ではブエナビスタ-ビワハイジ親子やマンハッタンカフェ-エアスマップ兄弟でおなじみだ。オークスソウルスターリングもこのラインに属する。

 母イチゴイチエはビワハイジマンハッタンカフェの祖母Santa Luciana3×4の牝馬クロスをもつ。母母アイチェックユーからこの血統を所有するグランド牧場はこのクロスの為にアイチェックユーに3度マンハッタンカフェを交配させた。

 中央で3勝をあげたイチゴイチエに、ヘニーヒューズを種付けして生まれたのが当馬ハヤブサレジェンド。この馬にはNasrullahPrincequillo、Menow、Sir Gallahad=Bull Dogを絡めたTerlingua≒Hopespringseternal4×4という父母のスピード血脈を絡めたニアリークロスがある。

 

       ┌Nasrullah

   ┌─Bold Ruler

SecretariatPrincequillo

│   └───△

Terlingua

└〇

 └〇┌Menow

  └First Rose

      │┌Sir Gallahad

   └〇

 

  ┌Menow

 ┌Tom Fool

 │ │┌Bull Dog

 │└△

Buckpasser

Hopespringseternal

│┌Princequillo

└△┌Nasrullah

 └△

 

 ハヤブサレジェンドのようにドイツ牝馬の重厚なクロスを持つ母の子供でスピード血脈をクロスさせるという試みは半兄ダイシンサンダー(父アドマイヤムーン)でも見受けられる。

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 ダイシンサンダーはサンデーサイレンス3×3、Mr. Prospector4×4。目玉が飛び出すような近親交配だがOPまで出世している。ハヤブサレジェンドのクロスはここまで大胆なものではないものの、配合のコンセプトが同じ半兄の成功は心強い。

 またアドマイヤムーン自身には4×4以上の強いクロスがなく、ヘニーヒューズに至っては5代アウトブリード。クロスの強烈な母イチゴイチエの配合相手として両者は都合のいい相手といえるだろう。

  

 父ヘニーヒューズは既に日本でも数頭の産駒が走っていて、中央で登録された8頭中4頭が重賞馬。さらにそのうちの2頭、アジアエクスプレスとモーニンはG1馬だ。

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 アジアエクスプレスとモーニンには母系にCozzeneの血を引くという共通点がある。CozzeneNasrullahとPrincequilloを併せ持ついわゆるナスキロ血統*1で、CozzeneがOKならナスキロ血脈を生かしたTerlingua≒Hopespringseternalのニアリークロスもアリではないだろうか。

 

 グランド牧場には昨年カデナでお世話になった。カデナはディープ×フレンチのニックスだけでなく、ディープの母系の奥のブリティッシュトラッドな血脈を利用した凝った配合が試みられてる。それ故に指名できた。カデナの奮闘はノースヒルズの育成だけではなく、グランド牧場の配合が実った結果でもあった。

 機会があったら母イチゴイチエ、そして母母アイチェックユーのすべての子供たちの配合を見てほしい。必ずグランド牧場のこだわりを深く実感するだろう。

 グランド牧場の試みたヘニーヒューズ×イチゴイチエという配合は、イチゴイチエの産駒としても、ヘニーヒューズの産駒としてもきっと間違っていないはずだろう。そう思いたい。

 

 何事もなければ6/4の東京5R芝1600mにて鞍上・田辺でデビューする。相手には堀厩舎のディープ産駒サトノオンリーワン、ロードカナロア産駒の評判馬ステルヴィオ等、かなり骨っぽいメンツが揃った。ひと泡ふかせてほしい。

 

*1:望田潤©