ジョイナス最後の戦い

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細江純子オブザイヤー2017

 ちょうど馬券を外して「買わなければよかった」と後悔するように、ホソジュンコラムを「読まなければよかった」と思ってしまうことが私にはある。ホソジュンコラムでは、時折、いや、かなりの頻度で細江純子自身のシモの事情が掲載される。率直に言うと、純子のシモの事情は知りたくない。アラフォー女性のセックスレスや乳首の色や大きさを知って喜べる精神回路は私にはない。ただ、後味の悪さが残るだけである。

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 読後の後味の悪さという点で、「卒乳しても息子は乳搾りで大喜び!」は突出していた。

 謝礼の話の流れから飛び出した「チョコはないんですが、ミルクなら出ますよ」というフレーズに、きっと多くの読者が戦慄しただろう。「細江純子の乳房からはまだ母乳が出る」という情報を、なぜ与えられなければならないのだろうか。

 情報の暴力は続く。かつては白かった純子の母乳は、なんと今では黄色くなってしまったらしい。「よって、その状況を伝えると」という一節に狂気が滲み出る。何が「よって」なのか。母乳が黄色くなったことを伝えることが必然だというのか。そして、伝えられてしまった某ディレクターも、余計な一言を返してしまう。乳製品業界に謝ってほしい。

 謝礼の話から、自分の黄色い母乳の話題に展開した細江純子。狂っているとしか言いようがない。しかし何よりも狂っているのは、このような劇物を突き付けられてもなお、私がホソジュンコラムを毎週欠かさず読み続けているという事実だろう。

 ホソジュンコラムは競馬のようである。競馬で損をしても私は競馬を止めようとは思わない。競馬が好きだから。それと同じことである。たとえ知りたくない情報を知ったとしても、私は細江純子のシモネタが読みたい。細江純子のシモネタが好きだから。

 よって細江純子オブザイヤー2017は、強烈な不快感によってかえってホソジュンコラムの魅力、その存在の偉大さを証明した「卒乳しても息子は乳搾りで大喜び!(2017/3/3)」としたい。

 シモネタコラムとしての出来の良さでいえば、有馬記念中継での失敗談がポップに語られる「京都外回りはプラス レッドエルディスト◎(2017/1/13)」や、しばしの停滞から華麗なる復活を見せた「パンパンの良馬場ならSアラジンそれ以外ならレッドファルクス軸(2017/11/17)」あたりを推挙したいところだが、受賞作のテロリズムのようなインパクトの前では霞んでしまうと言わざるをえない。

細江純子とわたし・2017

はじめに

 2017年のはじめ、私はあることを決意した。ホースコラボレーター*1細江純子氏がアサヒ芸能に連載しているコラムに対する論評を毎月ブログに掲載しよう、と*2

 ところが残念なことに、私はその試みをわずか4か月で挫折してしまった。私が勝手に決意して勝手に諦めただけだから、おそらくほとんどの読者の方々(そもそもいるの?)にとってはどうでもいいことだろう。傍から見れば取るに足らない挫折とはいえ、このままにしておくのは自分としては後味が悪い。というわけで、純子コラムへの論評を続けられなかったことへの代償行為として、私が純子コラム論評を投げてからの、私と細江純子の間に*3起きた細やかな出来事の数々を書き連ねようと思う。

 

細江純子ブラチラ画像を保存してしまった

 某掲示板でノースリーブの肩口からブラジャーの紐が露出した細江純子氏のキャプチャー画像を拾ってしまった。はてなブログの規約上、性的な画像を掲載するわけにはいかないのでここでその画像を転載することはできない。予めご了承を。

 問題は2つある。ブラジャーの紐が見えていることと、当該画像の細江純子氏が美魔女に見えかねないくらい映りが良いということだ。私は決して熟女趣味ではないが(信じてほしい)、細江純子氏の奇跡的な映りの良さに抗えず不覚にも保存してしまった。奇跡を保存したかっただけなのだ。使用するつもりは一切ない。

 ただ熟女好きで、微エロくらいがちょうどいいという人なら当該画像をオカズにしてしまうかもしれない。絶頂しながら「こんな女性が本当にセックスレスなのか?」と思ってしまうかもしれない。そんな奇特な人でも、彼女のコラムを読めば純子が夫から抱かれない理由がなんとなく分かるはずだ。世の中はうまくできている。

細江純子効果!ブログ閲覧数が大幅アップ!

 細江純子氏のコラム論評をはじめるようになってから、当ブログの閲覧者数は飛躍的に増大した。

 それまで当ブログで一番閲覧数が多かった記事はアニメ・グラスリップに登場するM.C.エッシャーの「昼と夜」に関する考察記事だった。

joinus-fantotomoni.hatenablog.com

 今、当ブログで一番のPVを獲得しているのは純子コラム3月分の論評記事だ。なんと「昼と夜」の考察記事の5倍は読まれている。とりわけ彼女がレギュラー出演中の「みんなのけいば」が放映される日曜日のアクセス数は圧巻である。もはや私は氏と氏の出生地である愛知県蒲郡市に足を向けて眠れない。

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すごいぞ純子!7週連続予想的中!

 純子効果によって閲覧者が増えた当ブログだったが、一時期ブログのPVが純子効果では説明できないくらい爆発的に増大したことがあった。後で知ったことだが、どうやらその期間中に細江純子氏が「みんなのけいば」放送中に披露した競馬予想が7週(か6週くらい)連続で的中したという。やっぱり純子のおかげだった。

 しかしながら私はブログの閲覧数増加を手放しで喜ぶことはできなかった。理由はその期間中にもっと読まれた記事にある。

 細江純子連続的中期間もとい純子バブル期に最も読まれた記事は上記の3月分のコラム論評記事だった。その月には、こんなコラムが掲載されている。

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 番組での予想が当たらず、細江純子氏が白髪が増えるほどに悩むという内容だ。そんな氏に対して共演者の井崎脩五郎は「ホソエちゃん、大丈夫。誰も読んでいないから。誰も注目していないから」と言い、番組ディレクターは「いや、ホソエさんは注目されていますよ」「予想じゃないですよ。シモネタですよ。僕の周りにも注目している人は多いですから」と茶化す。

 私はこのコラムに対する論評で、元騎手に予想をさせるメディアを批判した。この記事のディレクターの発言は、細江純子氏の予想に需要がそれほどないことを認めているようなものである。にも拘わらず、馬券予想という役割を担わせることに違和感を私は感じている。

 ところが、細江純子氏が予想を連続的中させたことで、皮肉にも彼女の予想に需要が生まれてしまった。増えていくPV数に、私は思い知らされたのだ。それが当たる予想だと感じれば、深い根拠がなくても飛びついてしまうのが競馬ファンだということを。

最後に

 徳間書店さん、私は「ホソジュンの舞台裏届けます!」の書籍化を熱望しています。是非ともよろしくお願いします。

*1:って何だよ

*2:その決意の産物は当ブログの細江純子タグから閲覧可能だ

*3:ことわっておきたいが筆者と細江純子氏には直接の関りがない。私はただの氏のファンである。氏のファンとして、彼女のアサヒ芸能連載コラムの書籍化実現の後押しになればと、コラム論評をはじめたのである

9位 マイネヴィータの15

馬名:ヴィオトポス 生産:ビッグレッドF 馬主:ラフィアン 調教師:田村康仁美浦

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 総帥のラッパは信じられなくても、「2歳戦のラフィアン」の看板は信じるに値する。開幕週の東京1400新馬戦は過去2年でペルソナリテ、マイネルバールマンとサラブレッドクラブ・ラフィアンの馬が連勝中。ラフィアンが同番組3連覇を目論んで送り込んできたヴィオトポスに注目するのは必然だ。その上ヴィオトポスの父は産駒の仕上がりの速さには定評のあるマツリダゴッホ。これだけでも指名ができる。

 

 唐突だがマツリダゴッホ産駒はDanzigとの相性がいい。母系にDanzigを持つマツリダゴッホ産駒の活躍馬はロードクエスト(G3新潟2歳S,京成杯AH)、アルマワイオリ(G1朝日杯FS2着)、ウインマーレライ(G3ラジオNIKKEI賞)、アリンナ(OP葵S)。どれも2歳時から活躍している馬ばかりだ。

 Danzigマツリダゴッホの相性を考えるうえでカギになるのはDanzigの母父父Crafty Admiral。Crafty Admiralはマツリダゴッホの母母父Affirmedの母の父なので、Danzigを母系にもってくるだけでCrafty Admiralのクロスが発生する。

 Crafty Admiralは母父は米三冠馬War Admiral。そこにSir Gallahad=Bull Dogの全兄弟クロス2×3、Commando4x5と北米競馬の名血が詰まっている血統構成。

 血統表 Crafty Admiral

 ヴィオトポスの牝祖オカノブルーの父ネプテューヌスCrafty Admiralの孫。つまりこの牝系の繁殖牝馬マツリダゴッホを種付けするだけでCrafty Admiralのクロスを持つ馬が生まれてくるのだ。マツリダゴッホ×オカノブルー牝系という組み合わせは中央デビューした6頭中4頭が勝ち上がっている*1。その中にはつい昨日*21000万特別を勝ったエントリーチケットや現1000万級のウランゲルも含まれる。マツリダゴッホと相性のいい牝系といっても差支えがない。

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 血統派としての指名の決め手はもう一つある。それはFlower Bowl≒Your hostのニアリークロスだ。Flower BowlはGraustark-His Majesty兄弟の母としておなじみの名繁殖。Your hostはソシアルバターフライの父で、つまりはトウショウボーイの母の父である。Flower BowlはYour Hostの甥にあたり、父は同じAlibhai。したがって両者は3/4同血の関係だ。

Boudoir(Mahmoud)
├Flower Bed(Beau Pere)
│└Flower Bowl(Alibhai)
│ ├Graustark(Ribot)

│ └His Majesty(Ribot)

Your Host(Alibhai)

 ナリタブライアン産駒として重賞制覇に最も近づいたヴィオトポスの母マイネヴィータは、Flower Bowl≒Your host5×4。ヴィオトポスはマツリダゴッホの母父ベルボライト*3経由でこのクロスを継続する。自身にFlower Bowl≒Your hostのニアリークロスをもつマツリダゴッホ産駒は他にアルマワイオリ(朝日杯2着),エクラミレネール(ニュージーランドT3着)がいる。

 マツリダゴッホ産駒はゴッホの母父ベルボライドの影響か、早熟で距離適性が短めの馬が多い。早く勝ち上がる反面、底力にかけるのか上のクラスになると苦戦しがちだ。そんなマツリダゴッホに欧州的なスタミナを供給するしているのがAlibhaiであり、その産駒のFlower Bowl。Flower Bowl≒Your hostはAlhibaiを経由するニアリークロスであり、このクロスが上のクラスでも通用するマツリダゴッホ産駒を産み出す仕掛けになると自分は考える。暇な人はマツリダゴッホ産駒の賞金獲得上位馬の血統を見てほしい。Flower Bowl≒Your hostはなくてもそのほとんどにAlibhaiのクロスか、Alibhaiと血統構成の似たLady Angela3×2のノーザンテーストが母系にあるはずだ。

 Crafty Admiralのクロスを根拠にしたオカノブルー牝系とマツリダゴッホの相性の良さ。Flower Bowl≒Your hostという上のクラスでも通用できるマツリダゴッホ産駒を産み出すニアリークロス。この二つの血統的な推し要素と「仕上げの速さに定評のあるマイネル軍団が、仕上がりの速さには定評のあるマツリダゴッホ産駒を過去2年で2勝している開幕週の東京1400で使ってくる」という馬主事情的な要素の合わせ技で指名したヴィオトポス。苦笑いしたくなる蛇行も見せたものの、幸先よく1勝して自分の期待に応えてくれた。鞍上柴田大知が必死に促しながら追走していたので、1400は明らかに忙しそう。距離延長になるであろう次戦が楽しみだ。

*1:当然全馬が「マイネル/コスモ」冠の馬

*2:2017/6/10

*3:母父Graustark

10位 ジャジャマーチャンの15

馬名:トゥラヴェスーラ 生産:社台ファーム 馬主:吉田照哉 調教師:高橋康之・栗東

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  本馬の配合の最高の見どころはダイナサッシュ≒アドマイヤマカディ4×3のニアリークロス。

 ダイナサッシュ、アドマイヤマカディはノーザンテーストプリンスリーギフトが共通。そしてダイナサッシュの3代母Sylkoとアドマイヤマカディの母父父DariusはNearco、Solario、Arion、Securityが共通する相似な血…というのがこのクロスの根拠である。*1

 このニアリークロス該当馬はスノードラゴン(G1スプリンターズS)、ウインブライト(G2スプリングS)、ウインファビラス(G1阪神JF2着)、ペルソナリテ(OPダリア賞)と錚々たる顔ぶれ。少ないサンプルながら、打率、飛距離もなかなかなニックスといえる。

 私のように中途半端に血統をかじった人間は、ニアリークロスやニックスという言葉が大好きだ。これらをまるで成功を保証する魔法の杖のようにありがたがる。ただステゴ×マックのニックスがゴールドシップ以降目立った馬を出せていないように、ニックスというのは成功を必ずしも約束するものではない。ニックス以外の部分も吟味する必要がある。

 

 スノードラゴンら上記の4頭はCozzeneのしなやかさを感じる馬だ。一方募集時の立ち写真や出資者が社台Gツアーで撮影した写真を見た限り本馬トゥラヴェスーラにはノーザンテーストのずんぐりむっくりとした頑強さを感じる。ノーザンテースト5・4×4が強く影響したようである。

 そして母ジャジャマーチャンはピッチ走法で駆けた快速牝馬アストンマーチャンの全妹。父はピッチ走法の名馬ドリームジャーニー。この組み合わせからしなやかに前肢を伸ばして駆けるイメージは浮かばない。

 

 ミゼリコルデの15の記事でも触れたがドリームジャーニー産駒で出世している馬の母にはノーザンダンサーの濃いクロスがない。しかし、母ジャジャマーチャンはノーザンダンサー4×4と濃い。

 

 これらを踏まえるとドリームジャーニー×ジャジャマーチャンという組み合わせは、ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディの成功例、ドリームジャーニー産駒の成功例とはズレた配合だといえる。反省したい指名だった。

 ただ母の濃いノーザンダンサークロスは早熟性の担保という意味では決してマイナスではないだろう。既に入厩済みで、ゲート試験にも合格済み。早くからの始動は可能だろう。調教師の期待が高い、というのは慰めになるだろうか。

11位 ミゼリコルデの15

馬名未定 生産:追分ファーム

オルフェーヴル 母父フェスリエフ

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オルフェーヴルの母母エレクトロアートはヌレイエフとノーザンダンサー、Lady AngelaHyperionThong=Lt.Stevensが共通する。両者はほぼ同血(=ニアリー)といっていい。

 

   ┌〇  ┌Hyperion

   │ └Lady Angela

  ┌ノーザンダンサー

 ┌ノーザンテースト

 │ └△ ┌Hyperion

 │  └Lady Angela

エレクトロアート

 │┌Lt. Stevens

 └△  ┌Hyperion

 └△┌〇

  └△

 

    ┌〇  ┌Hyperion

  │ └Lady Angela

 ┌ノーザンダンサー

Nureyev

 │  ┌Hyperion

 │ ┌〇

 │┌〇

 └△

 └Thong

 

 もうひとつ面白いのはミゼリコルデの母母父Unfuwain

 Unfuwainの母Height of Fashionはディープインパクトの3代母Burghclereの全妹で80年代の名馬Nashwan*1の母。

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 Hyperion3×2の祖母HighlightにFair Trial3×3のQueen's Hussar*2を配合して生まれた母に、濃いクロスのないBustinoを交配されたのがBurghclere-Height of Fashion姉妹。Butinoの父母母父Court Martialを経由でFair Trialを継続しているのもミソだ。良馬ともに母として大成功していることがこの配合の凄さを証明している。

 Height of Fashionと共通する血が多いのがオルフェの母父メジロマックイーンの母の父であるリマンドだ。

 

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 リマンドはHeight of FashionとDonatello、Hyperion、Fair Trialが共通。そしてリマンドの父Alcideの牝祖はHeight of Fashionの牝祖でもあるAloe。リマンドとHeight of Fashionの出会いで、これらの血が一括してクロスされることとなる。

 

 エレクトロアート≒ヌレイエフで父母のパワーを、リマンド≒Height of Fashionで父母の底力を強調するというのがオルフェーヴル×ミゼリコルデという配合。これだけ見ればかなり魅力的である。

 

 しかしよくよく見返すと、母ミゼリコルデのノーザンダンサー3×3という配合が気になる。オルフェーヴルノーザンテースト4×3。ノーザンダンサーの濃い繁殖は、これまたノーザンダンサーの血の濃いオルフェーヴルには合わない気がするのだ。

 オルフェーヴル産駒はまだデビュー前だが、全兄のドリームジャーニーの産駒である程度は類推できる。

 ドリームジャーニー産駒の中でOP級まで出世したのはミライヘノツバサ、エスティタートの2頭。日経賞2着のミライヘノツバサの母タムロブライトは5代アウトブリード。同産駒で2番目に賞金を稼いでいるエスティタートの母スキッフルもノーザンダンサーのクロスはない。

 とりわけミライヘノツバサの配合は、3代母タムロチェリー(2001の阪神JF勝ち馬)にはノーザンダンサー2×5という濃いNDクロスがあることに着目したい。そこにノーザンダンサーの血が全くないシルバーチャームが配されて生まれたのがミライエノツバサの母タムロブライトだ。「ノーザンダンサーの血が一滴もない」というのはエスティータートの母父トニービンにもいえることだ。両者はノーザンダンサー薄め液の役割を果たしている。

 よって自分はノーザンダンサーの薄い繁殖からオルフェーヴルは強い馬を出すのではないかと思っている。なのに、その推測とはかけ離れた母ミゼリコルデをなぜか指名してしまった。できたらこの考察が大外れしてくれれば嬉しいが、現時点では当馬の情報が少ないことを含めても痛恨の指名である。

 おそらく馬主は当馬の兄弟を窪田康志氏で、厩舎は関東の中堅どころになるのではないだろうか。

12位 イチゴイチエの15

 馬名:ハヤブサレジェンド 生産:グランド牧場 馬主:武田修 調教師:伊藤圭三美浦

ヘニーヒューズ 母父マンハッタンカフェ

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 すでに調教である程度の時計を出していて、なおかつ血統が面白かったので指名。

 牝系はいわゆるドイツのSライン。日本ではブエナビスタ-ビワハイジ親子やマンハッタンカフェ-エアスマップ兄弟でおなじみだ。オークスソウルスターリングもこのラインに属する。

 母イチゴイチエはビワハイジマンハッタンカフェの祖母Santa Luciana3×4の牝馬クロスをもつ。母母アイチェックユーからこの血統を所有するグランド牧場はこのクロスの為にアイチェックユーに3度マンハッタンカフェを交配させた。

 中央で3勝をあげたイチゴイチエに、ヘニーヒューズを種付けして生まれたのが当馬ハヤブサレジェンド。この馬にはNasrullahPrincequillo、Menow、Sir Gallahad=Bull Dogを絡めたTerlingua≒Hopespringseternal4×4という父母のスピード血脈を絡めたニアリークロスがある。

 

       ┌Nasrullah

   ┌─Bold Ruler

SecretariatPrincequillo

│   └───△

Terlingua

└〇

 └〇┌Menow

  └First Rose

      │┌Sir Gallahad

   └〇

 

  ┌Menow

 ┌Tom Fool

 │ │┌Bull Dog

 │└△

Buckpasser

Hopespringseternal

│┌Princequillo

└△┌Nasrullah

 └△

 

 ハヤブサレジェンドのようにドイツ牝馬の重厚なクロスを持つ母の子供でスピード血脈をクロスさせるという試みは半兄ダイシンサンダー(父アドマイヤムーン)でも見受けられる。

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 ダイシンサンダーはサンデーサイレンス3×3、Mr. Prospector4×4。目玉が飛び出すような近親交配だがOPまで出世している。ハヤブサレジェンドのクロスはここまで大胆なものではないものの、配合のコンセプトが同じ半兄の成功は心強い。

 またアドマイヤムーン自身には4×4以上の強いクロスがなく、ヘニーヒューズに至っては5代アウトブリード。クロスの強烈な母イチゴイチエの配合相手として両者は都合のいい相手といえるだろう。

  

 父ヘニーヒューズは既に日本でも数頭の産駒が走っていて、中央で登録された8頭中4頭が重賞馬。さらにそのうちの2頭、アジアエクスプレスとモーニンはG1馬だ。

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 アジアエクスプレスとモーニンには母系にCozzeneの血を引くという共通点がある。CozzeneNasrullahとPrincequilloを併せ持ついわゆるナスキロ血統*1で、CozzeneがOKならナスキロ血脈を生かしたTerlingua≒Hopespringseternalのニアリークロスもアリではないだろうか。

 

 グランド牧場には昨年カデナでお世話になった。カデナはディープ×フレンチのニックスだけでなく、ディープの母系の奥のブリティッシュトラッドな血脈を利用した凝った配合が試みられてる。それ故に指名できた。カデナの奮闘はノースヒルズの育成だけではなく、グランド牧場の配合が実った結果でもあった。

 機会があったら母イチゴイチエ、そして母母アイチェックユーのすべての子供たちの配合を見てほしい。必ずグランド牧場のこだわりを深く実感するだろう。

 グランド牧場の試みたヘニーヒューズ×イチゴイチエという配合は、イチゴイチエの産駒としても、ヘニーヒューズの産駒としてもきっと間違っていないはずだろう。そう思いたい。

 

 何事もなければ6/4の東京5R芝1600mにて鞍上・田辺でデビューする。相手には堀厩舎のディープ産駒サトノオンリーワン、ロードカナロア産駒の評判馬ステルヴィオ等、かなり骨っぽいメンツが揃った。ひと泡ふかせてほしい。

 

*1:望田潤©