ジョイナスブログⅡ

アニメ、競馬など。ホースコラボレーターの細江純子氏の予想が的中するとアクセス数が増えるブログです。

リストに残ったPOGドラフト指名漏れ馬2018-2019

はじめに

今年は指名馬ではなく、リストには入れたけど指名漏れになってしまった馬を紹介したい。

リストに入った指名漏れの馬を晒すことには2つのメリットがある。第1のメリットは、該当する馬が走ったときに「リストに入れてたんだぜ」と後出しせずにドヤれる点。そして第2のメリットは該当する馬が走ったら「リストには入れてたのに…」と後出しなしで自虐することができる点。私たちは状況に応じて好きなカード(自慢/自虐)を選択できる。

できるだけ顰蹙を買いたくないので、私は後者の立場を貫こうと思う。要するに、この記事は「自虐の予約」だと思ってもらいたい。

本指名枠

・母ココシュニック

牝 馬名:リャスナ 父:ディープインパクト 母父:クロフネ 栗・高野 生産:ノーザンファーム 馬主:キャロットファーム

備考:ステファノス、フィニフティの全妹。

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・母ダリシア

牝 馬名:サトノダムゼル 父:ディープインパクト 母父:Acatenango 美・堀 生産:ノーザンファーム 馬主:サトミホースカンパニー

備考:Kダービー、ドバイWC勝ちのアニマルキングダムの半妹。日本ではダリシア産駒は今のところ大物なし。

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・母ビアンカシェボン

牡 馬名:ボンディマンシュ 父:ロードカナロア 母父:フジキセキ 栗・中内田 生産:ノーザンファーム 馬主:シルクレーシング

備考:中内田とカナロア。これ以外特に言うことがない。

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・母クッカーニャ

牝 馬名:スカーヴァティ 父:ロードカナロア 母父:フジキセキ 栗・西園 生産:ノーザンファーム 馬主:サンデーレーシング

備考:母も西園厩舎に所属。OPクラスまで出世した。

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・母ミリオンウィッシーズ

牝 馬名:ミリオンスターズ 父:ヴィクトワールピサ 母父:Darshaan 美・宗像 生産ノーザンファーム 馬主:G1レーシング

備考:ゲート試験合格(5/25)

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・母シティトゥシティ

牡 馬名:ダノンシティ 父:Medaglia d'Oro 母父:City Zip 栗・橋口 生産:ケイアイファーム 馬主:ダノックス

備考:ケイアイファームのダノン流し。6/10(土)東京・芝1800でデビュー(鞍上・武豊)。

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・母マイスウィートベイビー

牝 馬名:ヒシエトワール 父:オルフェーヴル 母父:Minardi 美・木村 生産:ノーザンファーム 馬主:阿部雅英

備考:ゲート試験合格(5/25)

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・母ジャジャマーチャン

牡 馬名:トオヤリトセイト 父:ドリームジャーニー 母父:アドマイヤコジーン 栗・松下 生産:社台ファーム 馬主:村田能光

備考:葵S2着のトゥラヴェスーラの全弟。小倉2歳S狙いらしい。

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・母フラッテローザ

牡 馬名:マイサンシャイン 父:ゴールドアリュール 母父:ブライアンズタイム 栗・五十嵐 生産:ノーザンファーム 馬主:三田昌弘

備考:母はフリオーソの全妹。セレクトセール2017で4200万円で落札。

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・母フラーテイシャスミス

牡 馬名:ラインハルト 父:ゴールドアリュール 母父:Mr. Greeley 美・金成 生産:ノーザンファーム 馬主:レッドマジック

備考:ベストウォーリアの全弟。

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・母エーシンセノーテ

牝 馬名:エンゼルサンライズ 父:ハーツクライ 母父:フレンチデピュティ 栗・石坂 生産:栄進牧場 馬主:松岡隆雄

備考:母エーシンセノーテはフェニックス賞勝ち。母母セントルイスガールは小倉2歳S2着。セレクトセールを見ていて気になったが、日和って結局指名せず。

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・母プリンセスカメリア

牝 馬名:フィリアプーラ 父:ハービンジャー 母父:サンデーサイレンス 美・菊沢 生産:ノーザンファーム 馬主:キャロットファーム

備考:朝日杯FS勝ち馬アルフレードの半妹。

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・母アドマイヤセプター

牝 馬名:ラディアントパレス 父:ハービンジャー 母父:キングカメハメハ 栗・中内田 馬主:サンデーレーシング

備考:母は二冠馬ドゥラメンテの全姉。母自身も良血の素質馬だったが気性難で大成できず。

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・母ウィズザフロウ

牡 馬名:キタサンガトリン 父:ルーラーシップ 母父:アグネスタキオン 美・奥村 生産:ノーザンファーム 馬主:大野商事

備考:母は阪神JF勝ち馬ローブティサージュの半姉(自身は未出走)。馬主は自分の持ち馬が優勝したら歌いたいと申し出たとんでもないやつ。

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【雑感】

指名されないまま終わったリスト入りのディープインパクト産駒は母ココシュニック母ダリシアの2頭だけ。母ダリシアならともかく、母ココシュニックならたとえ育成の進捗が遅そうでも誰か指名してもおかしくないのに…。晩成傾向の繁殖だという認識が定着しているのだろうか。

今年はゴールドアリュール産駒の当たり年だと思っている。母クリソプレーズや母サマーハあたりは当然のように指名された。個人的に注目していたのは母がフリオーソの全妹の母フラッテローザ。血統は申し分ない。ただドラフト数日前くらいに「ゴールドアリュール産駒なんて上の方の順位で指名するのは馬鹿らしいよなあ」と考え直してしまったので結局手を出さず。こういう経緯があるからこの馬に走られるとけっこう哀しい。UAEダービーとか勝たれた日には茫然自失となるだろう。

個人的にこの枠で一番指名を日和ってしまった感があるのは母シティトゥシティ。ケイアイの庭先からダノックスという某プレミアムっぽいプロフィールの持ち込み馬。二匹目のドジョウ狙いで指名する気マンマンだったのに、ドラフト前日くらいに「いや、そんな上手い話はないだろ」「橋口ジュニアの厩舎の成績見てみろよ」と弱気の虫にやられて日和ってしまった。この馬が走ると一番哀しい。

マイナー枠

・母モルフェスペシャ

牡 馬名:スズカモンド 父:スクワートルスクワート 母父:スペシャルウィーク 栗・谷 生産:町屋勝幸(青森) 馬主:永井啓弍

備考:JRAブリーズアップセールで1728万円で落札。6/16(土)阪神ダート1200でデビュー予定?

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・母ヤマカツセイレーン

牡 馬名:ゴールデンヘイロー 父:キングヘイロー 母父:グラスワンダー 栗・高橋康 生産:大西ファーム 馬主:駒秀

備考:スプリント重賞2賞のダイアナヘイローの全弟。名前がトウケイヘイローの父でおなじみゴールドヘイローみたいでややこしい。

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・母クリヴィア

牡 馬名:シゲルシンジュ 父:クロフネ 母父:トニービン 美・水野 生産:三城ボクジョウ 馬主:森中蕃

備考:代々付けられた種牡馬ノーザンテーストサンデーサイレンストニービンクロフネ。良くも悪くもシゲルらしくない血統。

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・母ホワイトクルーザー

牡 馬名:ハヤブサナンデクン 父:ゴールドアリュール 母父:クロフネ 栗・吉村 生産:グランド牧場 馬主:武田修

備考:母の半妹は砂の女サンビスタ。なお馬主と牧場は仲違いした模様。

・母ドリームバラード

牡 馬名:ジグソー 父:ゴールドアリュール 母父:タニノギムレット 栗・松下 生産:タイヘイボクジョウ 馬主:石川達絵

備考:シルポートサウンドオブハートカフェブリリアントを輩出したフジャブ牝系出身。

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・母プレッピー

牡 馬名:ダウラギリテソーロ 父:サウスヴィグラス 母父:タニノギムレット 美・奥平 生産:辻牧場 馬主:了徳寺健二ホールディングス

備考:グリチャの2歳馬特集で見て気になった馬。大きくて躍動感がありそうだったのでリスト入り(しかし指名せず)。

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・母ラシーク

牡 馬名:不明 父:シニスターミニスター 母父:スタチューオブリバティ 厩舎:不明 生産:日進牧場 馬主:不明

備考:キングズガードを輩出した日進牧場の生産。A.P. Indy≒Charming Lassie3×3と攻めた配合。

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・母ソーラーヴィジョン

牡 馬名:コウエイバンビーノ 父:シニスターミニスター 母父:タバスコキャット 厩舎:不明 生産:野坂牧場 馬主:伊東政清

備考:Missy Baba7×5とMy CharmerとSex Appealを通じたStriking=Busher=Mr. Busher≒Busandaクロスねらい。

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・母クロスシーカー

牝 馬名:インマイレーベン 父:ジャスタウェイ 母父:Cape Cross 厩舎:不明 生産:いとう牧場 馬主:薪浦亨

備考:晩成傾向が予想されるジャスタウェイ×いかにも早熟そうなDanzig3×3の繁殖。遅生まれで情報が少なかったので結局日和って指名せず。

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・母ケイティーズギフト

牡 馬名:ダディーズマインド 父:トーセンホマレボシ 母父:フレンチデピュティ 美・青木 生産:スカイビーチステーブル 馬主:田島大史

備考:トーセンホマレボシは父ディープインパクト同様に母父フレンチデピュティと相性よし。半兄は函館記念2着のケイティープライド。半姉ケイティーズネイルは川田ブチ切れ事件の当該馬。

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・母スリーベラミ

牝 馬名:スリーヘブン 父:ハービンジャー 母父:ディープインパクト 栗・橋田 生産:辻牧場 馬主:永井商事

備考:橋田厩舎×永井オーナーなら児玉武大助手(純子の旦那)が担当するのではないかと思いリスト入り。橋田厩舎×ハービンジャー牝馬の組み合わせからは2頭のOP馬(ディアドラとレイホーロマンス)が輩出。

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・母シェアエレガンス

牡 馬名 ジャスパーケイ 父:マンハッタンカフェ 母父:ラムタラ 栗・森(?) 生産:橋本牧場 馬主:加藤和

備考:天皇賞ヒルノダムールの全弟。ルメールと一緒に派手にラチに突っ込んだファーガソン(産駒が今年デビュー)の全弟でもある。

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・母ポジショントーク

牡 馬名:不明 父:マンハッタンカフェ 母父:シンボリクリスエス 栗・友道 生産:伏木田牧場 馬主:丸山担

備考:エリザベス女王杯2着のシングウィズジョイと100%同血の配合。

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【雑感】

このあたりの馬は情報の裏付けがほとんどなく、その場のノリで選んでるような馬ばかりなので走られてもそこまで気にならないかもしれない。

強いて言うなら、けっこう信憑性が高いと思っているトーセンホマレボシ×フレンチデピュティのニックスの母ケイティーズギフト、割とガチ目に配合研究をした(つもりの)シニスターミニスター産駒2頭(母ラシーク、母ソーラービジョン)に走られると哀しいかもしれない。

あと肝心なやつを忘れていた。モルフェスペシャはどうやら指名馬とデビュー戦がかぶってしまうらしい。リストに残った指名漏れの馬に負けてしまうのはいたたまれない。考えただけでゾクゾクする。

【ロシアW杯】アサヒ芸能・細江純子コラム代表メンバー発表【23作】

はじめに

今のサッカー日本代表はヤバイらしい。このままではワールドカップで恥をかいてしまうという。

ところで「恥ずかしい」とは何だろう。一般的に言えば、「人様に顔向けできない」という感情のことである。

ぶっちゃけてしまうと、このブログは恥ずかしい。恥の産物である。しかし私には「人様に顔向けできない」という感覚はほとんどない。インターネットの匿名性に守られているからである。

顔を出さなければ、どこまでも恥ずかしいことができてしまう。または残酷なことができる。それが人間という生き物。その一方で顔を出しながら恥ずかしいことができる人間も世の中には存在する。細江純子はその一人だ。

細江純子は信じられないほど下品なコラムをアサヒ芸能に連載している。これが読み物としてかなり面白い。「人様に顔向けできない」内容であるが、「どこへ出しても恥ずかしくない」出来なのだ。ホソジュンコラムはもはや恥で作られた芸術である。

私は自らの恥をコンテンツ化できる細江純子のことが羨ましいのだと思う。人様に顔向けできないようなことを堂々と続け、人を笑わせ、それが収入になる。そういう人生ってよろしいやん。

そういうわけで、W杯開催を間近に控えた世の中の浮かれムード(?)に便乗して、アサヒ芸能細江純子コラムから23作の「代表」を選定してみた。これはホソジュンコラムビギナーへの「ホソジュンコラム入門」でもある。シモネタの力で雨季のジメジメとした鬱屈を吹き飛ばしてほしい。

【GK】

・タイトル不明(2014/08/01)

ウマ娘』の視聴者にも是非読んでもらいたい快作。リンク先では「夏の馬房の前は扇風機だらけ」という全く内容と結びつかないタイトルがつけられている。この前週も同じタイトルだったため、おそらく編集のミスだろう。

・「「おい、チクビ!」と声をかけられる日々」(2016/06/17)

シモネタ大好きアラフォー女性競馬評論家の悲哀がこれでもかと伝わってくる回。

・「2走前の東京新聞杯(1着)の内容から武豊騎手騎乗リスグラシューに期待!」(2018/05/11)

ノーベル文学賞ものの名作。ノーベル文学賞の選考主体はセクハラ問題の禊にあえて細江純子先生を受賞させるべきだと思う。

【DF】

・「馬の想像妊娠を初めて見た」(2013/07/12)

息子(現4歳)の妊娠中に書かれた回 。非常に生々しい。

・「ヌーヴォレコルトの勝負根性には脱帽!」(2015/05/15)

レジェンド騎手集結回。南井克己の天然っぷり。

・「TENGA与えてくれる極上の一時」(2015/05/29)

純子が「アウトデラックス」に出演した時に紹介された回・その1。すごく楽しそう。

・「R・ムーア騎手のDNAが欲しい!」(2015/12/11)

「ボルトより受け入れやすそう」と評されるライアン・ムーア

・「ヤマカツエースはここがチャンス!」(2017/03/31)

「『夫のちんぽが入らない』を書いたのはホソエさんですか?」とわざわざ書店から連絡してくる知人Hちゃん。

・「前回とは違い好気配キタサンブラック◎」(2017/06/23)

狂気の発想。

・「パンダの赤ちゃんの名前でアンアン・イクイクを妄想…」(2017/09/08)

肝心の「チンチン」が出てこないのはなぜだろうか。

・「4歳の息子から注意されるなんて!?シモネタ卒業を本気で考えねば‥‥」(2018/01/19)

滋賀のスーパーでオチンチンと叫ぶ。

【MF】

・「私のアソコはカタイみたい!?」(2013/10/04)

息子を出産した翌週に雑誌に掲載された回。

・「ブラの中が“ブラジル”状態」(2014/07/04)

W杯ネタ。井崎先生の大喜利力が冴え渡る。

・「名手の腕にも期待モーリスが本命!」(2016/10/28)

「シモネタは救い」ーーーホソジュンコラムの主題が描かれる会心作。

・「ホッコータルマエは引退するまで本命!」(2016/12/02)

アサヒ芸能・細江純子コラムオブザイヤー2016。シモネタの存在理由(レーゾンデートル)を我々に問いかける名作。

・「京都外回りはプラス レッドエルディスト◎」(2017/01/13)

競馬学校時代の恩師すら唸らせた「サキダシ・アトダシ・ナカダシ」回。

・「息子と全裸ジャンプで熱唱 ついに夫にあきれられた…」(2017/09/01)

アラフォーあるある:ZARDを知ってる若者に嬉しそうに食いつきがち。

・「パンパンの良馬場ならSアラジンそれ以外ならレッドファルクス軸」(2017/11/17)

〈頼む、お願いだからアサヒ芸能を読んでおくれ!〉

・「下着売り場で判明した衝撃の事実! Aだと思っていたらDカップだった」(2018/05/18
)

初めて自分のフシダラさに気づいた43歳。

【FW】

・「2014年から現場復帰します」(2013/12/27)

「オッパイがパンパンのチクビがキュンキュン状態!」というコラム史においても屈指の破壊力を持つフレーズが登場。

・「内枠以外であればレッドアリオン軸」(2015/09/11)

伝説のボルト回。NIRVANAでいえば『NEVERMIND』、平井堅でいえば『楽園』に値する傑作。

・「前走でガス抜きLドンキ本命!」(2015/10/16)

純子が「アウトデラックス」に出演した時に紹介された回・その2。TPP回。

・「卒乳しても息子は乳搾りで大喜び!」(2017/03/03)

アサヒ芸能・細江純子コラムオブザイヤー2017。情報の暴力。

細江純子とアニメ・ウマ娘プリティーダービー

我らが細江純子、『ウマ娘プリティーダービー』で衝撃の声優デビュー

  3月の暮れ、我々に深い衝撃を与えた「細江純子、声優デビュー」の一報。

 それからほぼ一か月が経過しようとしている。声優たちの中に全くの素人が混じるわけだから、さすがにはじめのうちは違和感を覚えた。

 細江純子は間違いなく演技はできないが、しゃべりがおかしい人間では決してない。純子は長岡一也さん(競馬実況でおなじみのフリーアナウンサー)に話し方をレクチャーされていてるので、むしろ上手い部類の人である*1。大げさな言い方をすれば、純子はアナウンス技術を齧った競馬解説者といってもいい。だから純子がアニメで喋っているのは、ある意味局アナが自局のドラマにカメオ出演しているようなもの…そんなことを考えながらウマ娘を見続けていくうちに、純子が声優をしている状況に自分はすっかり慣れてしまった。

 そもそもの話をすれば、細江純子の演技よりもアサヒ芸能で連載している細江純子のコラムの方が数百倍酷い*2。演技程度でいちいちガタガタ言っていたら身が持たない。

我らが細江純子 対『ウマ娘』の細江純子

 ここからが本題。

 『ウマ娘』には作中に細江純子本人が登場する。声優・細江純子細江純子本人の役を演じているのだ。

 「本人役で本人が出演」は、競馬界では実は既に武豊騎手が通った道である。武豊騎手は『ごくせん』や『科捜研の女』にも本人役で出演している。数年前には『G1 DREAM』という競馬をテーマにした単発ドラマがあり、武豊騎手だけでなく、池添謙一騎手、福永祐一騎手、岩田康誠騎手、松田大作騎手(!?)が本人役で出演している。 

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 『ごくせん』や『科捜研の女』に出演する武豊騎手はおそらく私たちの知っている武豊騎手である。しかしながら『ウマ娘』の場合は話が違ってくる。ウマ娘』の細江純子は、私たちの知っている細江純子ではない。

 『ごくせん』の武豊騎手もフィクションに属しているという点では、「私たちの知っている武豊騎手」と厳密にはみなせないのかもしれない。ただ、「私たちの知っているあの武豊騎手」とみなしても何ら問題がない。『ごくせん』の世界にもJRAは存在し、ディープインパクトクロフネの主戦として現実同様に武騎手が数々のG1を勝っていると解釈しても、そこには何ら不都合がないし、それを妨げる要素は存在しない。

 一方『ウマ娘』の細江純子を「私たちの知っている細江純子」とみなすことには大いに問題がある。それは『ウマ娘』の世界には設定上騎手が存在しないからだ。よって『ウマ娘』の純子は、私たちの世界に存在する「JRA史上初の女性騎手」だった純子とは決定的に違う。

 現実の細江純子は「JRA史上初の女性騎手」だった細江純子であり、『ウマ娘』の細江純子は「JRA史上初の女性騎手」になれなかったifの細江純子である。ifの純子は現実とは異なるifの道を歩んできた。それにもかかわらず、ifの純子も現実同様に競馬解説者というキャリアに帰結している。ここに『ウマ娘』という作品が孕む強烈なテーゼが浮き彫りになる。即ち「if 対 運命」である。

if 対 運命

 『ウマ娘』ではif(史実にはない展開)が描かれる。

 作中ではエルコンドルパサーがダービーに挑戦するというifが描かれる。(現実の)エルコンドルパサーの現役当時は、外国産馬はダービーに挑戦できないというルールがあった。ウマ娘のifはこのルールをぶち破り、当時の外国産馬の運命に挑もうとする(どういう結果になるかは今現時点(4/22)では分からない)。

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 OPでは更に象徴的なifが描かれる。サイレンススズカが98年の天皇賞・秋*3と思われるレースで、4コーナーを曲がり切り先頭でゴールへと向かう、というifである。その後にサイレンススズカスペシャルウィークが並んで走る場面まで含めて、筆舌に尽くしがたいものがある。

 人間はたらればが好きである。私もたらればは好きだ。とはいえ、ifも過ぎれば暴挙であると言わざるをえない。極端な話をいえば、ダービー馬になれないスペシャルウィークはもはやスペシャルウィークではないし、当時のルールに泣いてこそのエルコンドルパサーだといえる。それは「JRA史上初の女性騎手」でない細江純子が、私たちの知る細江純子でないことと同じことである。

 そもそも、スペシャルウィークたちが美少女の姿でいること自体がとてつもないifである。ウマ娘のifははじめから暴走している。ifの暴走を看過すれば、彼女たちはただ競走馬の名前を名乗るだけの存在でしかない。それゆえにifのルートを選択したとしても、必ず一つの結果に収束するようにしなければならない。ウマ娘たちに逃げ切れない運命を課すことで、同一性を確保しなければ彼女たちの名前はただの飾りにすぎない。『ウマ娘』はifの暴挙と運命の収束性の戦いである。逃げ切ろうとするifの後方から、運命が押し寄せてくる。こうした緊張感の上に『ウマ娘』は成り立っている。

 またそれは、たらればを求める私たちと運命・予定調和を求める私たちとの対立であるともいえる。サイレンススズカにあのまま勝ってほしかった私たちと、運命を受け入れようとする私たちの戦いでもあるのだ。

 このアニメにおいて運命への収束を求めることは、とある残酷な要請をすることに他ならない。それゆえ、正直なところ、私はこのアニメを見ていて胸の内に息苦しさを感じずにはいられない。

 『ウマ娘』の細江純子は、さしずめifの墓標である。『ウマ娘』の純子はウマ娘に先立って、運命に収束してしまったifである。「JRA史上初の女性騎手」でないifの細江純子細江純子であるためには、このような運命の収束性に身を委ねるしかない。「ifと運命の対立」を示唆することが作中における純子のレーゾンデートルである*4。純子の存在は話題性の付与以上の深みを『ウマ娘』に与えている…ナンチッテ。

*1:私の競馬はちょっと新しい
第5回 ホースコラボレーター 細江純子さん」参照

*2:ウマ娘には純子の乳首の話はありません

*3:サイレンススズカの後方を走るウマ娘は勝負服から察するに98秋天の本当の覇者オフサイドトラップだろう

*4:これが言いたかった