馬名:ハヤブサレジェンド 生産:グランド牧場 馬主:武田修 調教師:伊藤圭三・美浦
すでに調教である程度の時計を出していて、なおかつ血統が面白かったので指名。
牝系はいわゆるドイツのSライン。日本ではブエナビスタ-ビワハイジ親子やマンハッタンカフェ-エアスマップ兄弟でおなじみだ。オークス馬ソウルスターリングもこのラインに属する。
母イチゴイチエはビワハイジとマンハッタンカフェの祖母Santa Luciana3×4の牝馬クロスをもつ。母母アイチェックユーからこの血統を所有するグランド牧場はこのクロスの為にアイチェックユーに3度マンハッタンカフェを交配させた。
中央で3勝をあげたイチゴイチエに、ヘニーヒューズを種付けして生まれたのが当馬ハヤブサレジェンド。この馬にはNasrullah、Princequillo、Menow、Sir Gallahad=Bull Dogを絡めたTerlingua≒Hopespringseternal4×4という父母のスピード血脈を絡めたニアリークロスがある。
│ └───△
Terlingua
└〇
└〇┌Menow
└First Rose
│┌Sir Gallahad
└〇
┌Menow
│ │┌Bull Dog
│└△
│
Hopespringseternal
└△┌Nasrullah
└△
ハヤブサレジェンドのようにドイツ牝馬の重厚なクロスを持つ母の子供でスピード血脈をクロスさせるという試みは半兄ダイシンサンダー(父アドマイヤムーン)でも見受けられる。
ダイシンサンダーはサンデーサイレンス3×3、Mr. Prospector4×4。目玉が飛び出すような近親交配だがOPまで出世している。ハヤブサレジェンドのクロスはここまで大胆なものではないものの、配合のコンセプトが同じ半兄の成功は心強い。
またアドマイヤムーン自身には4×4以上の強いクロスがなく、ヘニーヒューズに至っては5代アウトブリード。クロスの強烈な母イチゴイチエの配合相手として両者は都合のいい相手といえるだろう。
父ヘニーヒューズは既に日本でも数頭の産駒が走っていて、中央で登録された8頭中4頭が重賞馬。さらにそのうちの2頭、アジアエクスプレスとモーニンはG1馬だ。
アジアエクスプレスとモーニンには母系にCozzeneの血を引くという共通点がある。CozzeneもNasrullahとPrincequilloを併せ持ついわゆるナスキロ血統*1で、CozzeneがOKならナスキロ血脈を生かしたTerlingua≒Hopespringseternalのニアリークロスもアリではないだろうか。
グランド牧場には昨年カデナでお世話になった。カデナはディープ×フレンチのニックスだけでなく、ディープの母系の奥のブリティッシュトラッドな血脈を利用した凝った配合が試みられてる。それ故に指名できた。カデナの奮闘はノースヒルズの育成だけではなく、グランド牧場の配合が実った結果でもあった。
機会があったら母イチゴイチエ、そして母母アイチェックユーのすべての子供たちの配合を見てほしい。必ずグランド牧場のこだわりを深く実感するだろう。
グランド牧場の試みたヘニーヒューズ×イチゴイチエという配合は、イチゴイチエの産駒としても、ヘニーヒューズの産駒としてもきっと間違っていないはずだろう。そう思いたい。
何事もなければ6/4の東京5R芝1600mにて鞍上・田辺でデビューする。相手には堀厩舎のディープ産駒サトノオンリーワン、ロードカナロア産駒の評判馬ステルヴィオ等、かなり骨っぽいメンツが揃った。ひと泡ふかせてほしい。
*1:望田潤©