馬名未定 生産:追分ファーム
父オルフェーヴル 母父フェスリエフ
オルフェーヴルの母母エレクトロアートはヌレイエフとノーザンダンサー、Lady Angela、Hyperion、Thong=Lt.Stevensが共通する。両者はほぼ同血(=ニアリー)といっていい。
┌〇 ┌Hyperion
│ └Lady Angela
│ └△ ┌Hyperion
│ └Lady Angela
エレクトロアート
│┌Lt. Stevens
└△ ┌Hyperion
└△┌〇
└△
┌〇 ┌Hyperion
│ └Lady Angela
Nureyev
│ ┌Hyperion
│ ┌〇
│┌〇
└△
└Thong
もうひとつ面白いのはミゼリコルデの母母父Unfuwain。
Unfuwainの母Height of Fashionはディープインパクトの3代母Burghclereの全妹で80年代の名馬Nashwan*1の母。
Hyperion3×2の祖母HighlightにFair Trial3×3のQueen's Hussar*2を配合して生まれた母に、濃いクロスのないBustinoを交配されたのがBurghclere-Height of Fashion姉妹。Butinoの父母母父Court Martialを経由でFair Trialを継続しているのもミソだ。良馬ともに母として大成功していることがこの配合の凄さを証明している。
Height of Fashionと共通する血が多いのがオルフェの母父メジロマックイーンの母の父であるリマンドだ。
リマンドはHeight of FashionとDonatello、Hyperion、Fair Trialが共通。そしてリマンドの父Alcideの牝祖はHeight of Fashionの牝祖でもあるAloe。リマンドとHeight of Fashionの出会いで、これらの血が一括してクロスされることとなる。
エレクトロアート≒ヌレイエフで父母のパワーを、リマンド≒Height of Fashionで父母の底力を強調するというのがオルフェーヴル×ミゼリコルデという配合。これだけ見ればかなり魅力的である。
しかしよくよく見返すと、母ミゼリコルデのノーザンダンサー3×3という配合が気になる。オルフェーヴルはノーザンテースト4×3。ノーザンダンサーの濃い繁殖は、これまたノーザンダンサーの血の濃いオルフェーヴルには合わない気がするのだ。
オルフェーヴル産駒はまだデビュー前だが、全兄のドリームジャーニーの産駒である程度は類推できる。
ドリームジャーニー産駒の中でOP級まで出世したのはミライヘノツバサ、エスティタートの2頭。日経賞2着のミライヘノツバサの母タムロブライトは5代アウトブリード。同産駒で2番目に賞金を稼いでいるエスティタートの母スキッフルもノーザンダンサーのクロスはない。
とりわけミライヘノツバサの配合は、3代母タムロチェリー(2001の阪神JF勝ち馬)にはノーザンダンサー2×5という濃いNDクロスがあることに着目したい。そこにノーザンダンサーの血が全くないシルバーチャームが配されて生まれたのがミライエノツバサの母タムロブライトだ。「ノーザンダンサーの血が一滴もない」というのはエスティータートの母父トニービンにもいえることだ。両者はノーザンダンサー薄め液の役割を果たしている。
よって自分はノーザンダンサーの薄い繁殖からオルフェーヴルは強い馬を出すのではないかと思っている。なのに、その推測とはかけ離れた母ミゼリコルデをなぜか指名してしまった。できたらこの考察が大外れしてくれれば嬉しいが、現時点では当馬の情報が少ないことを含めても痛恨の指名である。
おそらく馬主は当馬の兄弟を窪田康志氏で、厩舎は関東の中堅どころになるのではないだろうか。
*1:バゴの父