ジョイナス最後の戦い

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石動乃絵のパンモロ

 『true tears』2話でヒロインの一人・石動乃絵のパンモロが描かれるのだが、乃絵のパンモロを見るたびに私は「やめてくれ」と叫びたくなるような気持ちになる。私は乃絵のパンツが見たくて『true tears』を見ているわけではないのだ。

 しかしなんというか、乃絵のパンツはまったくもって扇情的でない。ほんの数秒さらりと描かれただけ。チラリズムと言うにも無機質すぎる。薄いピンクの布地は白い無地のTシャツにほとんど覆われていて肉感のかけらもない。これをポルノだと言い張るのなら、西村純二はとんだ性的倒錯者だという他にない。

 『true tears』を見るたびに不本意ながら見せつけられる乃絵のパンツ。しかしこの不本意さは、作品と恐ろしいまでに調和している。眞一郎が踊りの花形を務めるのも、比呂美や愛子が眞一郎以外の男と付き合うのも、私が乃絵のパンツを見せつけられるのと同様に不本意なのだ。乃絵だって私にパンツを見られたと知れば激昂するだろう。

 考えてみれば、ttは不本意から始まる物語である。眞一郎は比呂美の着替えを見てしまう。大好きな子の着替えを見たからといって、オナペットにするのは眞一郎にとって不本意だ。眞一郎は比呂美が苦しんでいるのに何もしてあげられていない。それが分かっていながら比呂美をオカズにするのは犬畜生にも劣る。かくして眞一郎は倫理的な不能に陥り、その不能を石動乃絵の呪いのせいにする。彼の精液を受け止めるはずのティッシュは飛べないニワトリに生まれ変わり、乃絵への捧げものとなる。こうして眞一郎と乃絵の交流が始まるのだ。そして乃絵のパンモロを見ることで、私も眞一郎たちと同じ土俵に立つことができる。この感動を誰かに伝えたい。これが私のクリスマス・イブ。サイレント・ナイト。ホーリー・ナイト。サンキュー・ジュンジ。