ジョイナスのカラオケBOX

アサヒ芸能で連載中の「ホソジュンのアソコだけの話」の書籍化、ドラマ化、もしくはアニメ化を願うだけのブログです。

細江純子ファンとウマ娘プリティーダービー

ウマ娘からの帰還

帰ってきたよ。アイドルマスターシャイニーカラーズに。

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浅倉…

久しぶりにWINGをプレイした。ほんとうにつまらない。ウマ娘武豊だとすればシャニマス吉田豊だ。あるいはルメールとブロンデルくらいの差があるかもしれない。育成ゲームとしてはシャニマスウマ娘に勝てる点は一つもないだろう。

 

そう、ウマ娘は面白かった。

それでも私はウマ娘についていくことができなかった。 

ウマ娘プリティーダービー

率直に言えば、ここまで人気が出るとは思わなかった。おそらく失敗するだろうと思っていた。

ヒットの要因は私にはよく分からない。ただ思うに、ウマ娘プリティーダービーは競馬作品として私たちの想像以上に画期的な作品だった。

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ウマ娘は競馬の史実を基にしたフィクションである。たとえばウイニングチケットはダービーの勝利後イベントで「アタシが、このダービーを制したウマ娘ウイニングチケットです!!!」と叫ぶ。競馬をよく知る多くのプレイヤーが、「世界中のホースマンに、「私が第60回日本ダービーを勝った柴田政人です」と伝えたい」という同馬の主戦騎手・柴田政人の勝利インタビューを思い浮かべたに違いない。

史実を連想させる要素はさながら「インサイダー情報」*1である。知っている人間からしてみれば、思わずニヤリとしてしまう。どれも「分かる人には分かる」といった形で提示してくるので、つい「分かる」ことに優越感を覚えてしまう。

また、競馬をよく知らなかった人間から見ても、史実の要素をキャラやシナリオに練り込む手法はキャラクターや世界観に奥行きを与え、考察の余地を与えるものとして受け止められるだろう。「インサイダー情報」として競馬ファンに優先して与えられた史実馬たちの知識も、現代ではWikipediaニコニコ大百科の記事によって簡単に知ることができる。またそれらはSNSで拡散される。リリース以降、ゴールドシップ(本物)の奇行をまとめたツイートを何度見たことか。とにかく、こうした情報へのアクセシビリティウマ娘の追い風になったのは間違いないだろう。

それでいてウマ娘はIFを描くことにより時には大胆に史実を逸脱する。全てのIFシナリオを歓迎できたわけでもないが*2、「タラレバを見たい」というファン心理を揺さぶるものだった。三冠を制するトウカイテイオーや故障をしなかったアグネスタキオンの姿に、ディープブリランテ屈腱炎を発症しない世界を思わず自分も夢見てしまった*3

二次創作は原作への愛を示すものであると同時に不服を示すものでもある。誰もが原作に100%に満足できるなら二次創作は必要ない。その点、競馬は格好の題材である。私たちに競馬に夢を抱き、そして夢を何度も打ち砕かれた。いくら競馬が好きだとしても全ての結果に100%納得している人間はいないだろう。それゆえに二次創作が、不服と抵抗の物語が付け入る余地が生じる。

みどりのマキバオー」は名作だが、あくまでも競馬を題材にした一次創作にすぎなかった。「馬なり1ハロン劇場」は競馬の二次創作といえるが、決して一次物から大きく逸脱するようなものではなかった。擬人化コンテンツとしては五番煎じくらいかもしれないが、史実を活かしながらも名馬たちの敗北と挫折の物語に堂々とコンペを挑んだウマ娘は、喩えるなら淀の3コーナーからスパートを開始したミスターシービーのように、革新性に溢れた競馬作品だったといえるだろう。そう思わざるをえない。

 

作品の凄さも実感した。育成ゲームとして楽しめた。ところが結局のところ自分はウマ娘を受け止めきれなかった。その理由はウマ娘美少女コンテンツであることに尽きる。

決して自分は美少女コンテンツを毛嫌いしているわけではない。むしろ好きな方である。しかしながらその享受に後ろめたさを感じている。美少女のコンテンツ消費が恋愛や結婚の代償行動にすぎないと自覚してしまっているからだ。後ろめたさにできるだけ蓋をしながらも、きっとこれからも続けていくのだろう。

一方、競馬を楽しむことに対して、こうした後ろめたさは感じていない。それゆえ後ろめたくない趣味の競馬と後ろめたい趣味の美少女コンテンツを接続してしまった「ウマ娘」には当初から困惑の情があった。嫌悪と言うよりは困惑である。

よって最初はウマ娘に距離をとろうと考えていたが、私の尊敬する細江純子*4ウマ娘に関わってしまった。「推しの出演作品」になってしまった以上、無視するわけにはいかなくなった。そしてコンテンツをチラ見するうちに、本作のSNSでの伊藤隼之介プロデューサーの尽力に絆されてしまったので、余計に拒絶し難い心境になってしまった。

一部競馬ファンのようにウマ娘を「競馬の冒涜だ!」と批難する道もないわけではなかった。しかしながら実在競争馬を美少女化し、キャラ付けすることが罪だというなら、私はもっとアレなことをしてきたわけで……人殺しが万引きを非難するようなことは恥ずかしい。

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そうこうしている間に月日が経ち、ウマ娘のアニメ2期がはじまり、アプリがリリースされた。競馬作品としては面白いし、育成ゲームとしても面白かったけれど、美少女コンテンツとしてはシャニマスけいおん!のようにウマ娘を楽しめていない自分に気付いてしまった。

キャラが悪いというわけでもない。イクノディクタスはすごい可愛いし、自分の脳がエルコンドルパサーのマスクを眼鏡判定してしまったのか、エルコンドルパサーもすごく可愛く思えた。それでもシャニマスや他の美少女コンテンツのように消費しようという気分になれなかった。

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こうしてシャニマスに帰ってきた私は浅倉の限定SSRを50連で迎え、久しぶりにWINGをプレイした。ほんとうにつまらない。ウマ娘武豊だとすればシャニマス吉田豊だ。ついでに言うと、丸山元気藤岡康太はド下手クソ。

あとウマ娘から競馬に興味を持った人は、機会があったら2014のセントポーリア賞を見て、クラリティシチー田中勝春の騎乗を見てほしい。これが本物の糞騎乗だ。

 

細江純子とアニメ・ウマ娘プリティーダービー - ジョイナスのカラオケBOX

細江純子と伊藤隼之介とアニメ・ウマ娘プリティーダービー - ジョイナスのカラオケBOX

*1:文芸評論家・小森陽一大江健三郎「取り替え子」における大江と自殺した義兄・伊丹十三の関係を匂わせるような描写を「インサイダー情報」と言い表していた。これを拝借させてもらった。

*2:サイレンススズカの「栄光の日曜日」には率直に言って薄ら寒さしか感じられなかった。

*3:筆者はディープブリランテが大好き

*4:これは本当にリスペクトしている。冗談ではない