競馬あれこれ

共同通信杯まで終わったので備忘録を兼ねて‥‥

イクイノックス

東スポ杯は本当に圧巻で、ダンテスヴュー(きさらぎ賞2着)との脚色の違いを見ると能力は世代の中でも抜き出ている。末脚だけでなくHalo的な機動性もある。皐月賞は勿論のこと、ダービーでも好走できるだろう。

イクイノックスはAlzaoダンシングブレーヴが表現された末脚を持つ。ブラックタイドディープインパクトの全兄ながら、ディープのようにAlzao-Sir Ivor-Sir Gaylordのラインを活かした配合の活躍馬を輩出できなかった。しかしながら勝ち上がったキタサンブラック産駒はディープ産駒のようなAlzaoダンシングブレーヴAlzaoグルームダンサーSir Ivor≒Incantationといったようなディープ産駒でおなじみのニアリークロスが見受けられる。

次走は皐月賞へ直行するらしい。いつか東スポ杯からの直行も出てくるだろうとは思ったが、いざ実現すると日本競馬も来るとこまで来た感じがする。外厩で仕上げきれるなら前哨戦を使うメリットはもはやないかもしれないが‥‥。ただ今回は一般化したホープフルSからの直行とは違って、賞金的にもダービー出走のボーダーギリギリになる心配がある。綱渡りのようにハラハラする選択だと思うが、パワハラ訴訟を乗り越えた木村哲也調教師*1なら乗り切ってくれると信じよう。

ダノンベルーガ

共同通信杯の勝ち馬。イクイノックスと肩を並べる有力馬だ。

ハーツクライ産駒の有力馬としてはオーソドックスな配合で、母方にDanzigシアトルスルー、Ninski、Blushing GroomハーツクライのG1級にはおなじみの血統が散りばめられている。とりわけ3歳世代のトレンドはハーツクライ×Blushing Groomで、ボーンディスウェイ(葉牡丹賞)、ルージュラテール(白菊賞)、セレシオン(梅花賞)と複数のOP級を輩出している。

スワ―ヴリチャードを彷彿とさせるような豪快なストライドが持ち味。ハーツクライ産駒にありがちなズブさはなく、むしろ反応よくスピードに乗ることができる。小回りよりは大箱で狙いたいタイプだが、コーナリングさえこなせるなら中山でも好勝負ができるだろう。

キラーアビリティ

昨年のダービー馬シャフリヤールと同じディープインパクト×A.P.Indy。折り合いに難しさがあり、超スローになった萩Sでは折り合いを欠きダノンスコーピオンに差されてしまった。

一方12秒前半のラップで推移したホープフルSは好位で折り合い横綱相撲で完勝。内有利のトラックバイアスに助けられた感はあるものの、勝ち時計2:00.6は2歳の暮れならば威張れるタイムだ。皐月賞は馬場が渋らなければ1分58秒台の勝負になる。スピード色の強い血統的にも高速決着は歓迎だろう。

横山武史ならホープフルSと同じように皐月賞でも先行するだろう。キラーアビリティが押し切れるか、イクイノックスとダノンベルーガが差し届くか、といったレース展望を描いている。ただ、皐月賞で出していくとダービーでの折り合いが厳しくなるかもしれない。

ドウデュース

新馬、アイビーSがスローの瞬発力勝負だっただけに、34.3-35.2の前傾ラップの朝日杯の勝利は驚いた。母方の早熟な北米スピード血統のなせる業だろうか。母ダストアンドダイヤモンズはBCフィリー&メアスプリント2着、母父VindicationはBCジュヴェナイルを制している。

牡馬クラシックで好走するような馬は朝日杯を使わない傾向がある。朝日杯から牡馬クラシックで好走した馬といえば近年でいうと昨年より厳しいペースを押し切ったサリオスや、レコード勝負のなかジリジリと伸びて2着に健闘したステラヴェローチェぐらいだ。正直なところ、ドウデュースがこの両馬に匹敵するパフォーマンスを見せたとは自分は思わない。セリフォスやダノンスコーピオンを下しているので決して弱くはないが、この世代では善戦ポジションに落ち着いてしまうのではないか。

典×昆×寺田

横山典弘騎手×昆貢厩舎×寺田千代乃オーナーのチームがシンザン記念きさらぎ賞を制覇。3歳世代で気を吐いている。

昆厩舎は日高中心の馬集めで結果を残す数少ない厩舎の1つだ。ただ某ラフィアンのように見栄えのしない血統の馬を鍛え上げるスタイルではなく、日高の牧場からいい牝系の馬や輸入繁殖の産駒を選んでいるのが伺える。ディープスカイからしてMiss Carmieの牝系だしね‥‥。

寺田千代乃オーナーとのタッグではその傾向が顕著。マテンロウオリオンはオークスレディパステルの孫、マテンロウレオはGreat Lady M.の牝系と筋が通った血統で、なおかつどちらも父がリーディング上位だ。

POGで狙ってみたいラインだが、寺田オーナーは早期特例登録を使わない。ドラフトの時期までに判明しないなら指名もへったくれもない。

オニャンコポン

京成杯で見事な外差しで勝利し、クラシック戦線に名乗りを上げた「偉大な者」。一方ホープフルSは外から競られて凡走してしまった。エイシンフラッシュ自身には揉まれ弱いイメージはなかったが‥‥。

トモがやたら貧相に映る馬なので、どちらかといえば秋以降が楽しみなタイプだ。イメージとしてはタイトルホルダーに近い。百日草特別では一線級とはいえないメンツに最後は迫られていた。キレ味勝負は分が悪いので、春に好走するとすれば馬場や展開の助けは欲しい。

配合はエイシンフラッシュ×ヴィクトワールピサ×サプレザ。望田先生いわくKingmambo≒サプレザ3×2らしい。父と母父は長めの距離を走ってきた馬だけに、サンチャリオットS3連覇の女傑が「1/4マイラー」として活きるバランスのいい配合だ。

エイシンフラッシュ産駒はこれが重賞初勝利。余談だが昨年はトーラスジェミニ七夕賞、ディバインフォースがステイヤーズS、ショウナンバルディが中日新聞杯キングズベスト系が重賞戦線で健闘したシーズンでもあった。それでもこの父系は依然として厳しい状況に立たされている。オニャンコポンが救世主になれるだろうか。

パワハラ

今年のPOGはG1はおろか重賞級の馬を指名できなかった、不思議と首位争いに参加できている。なぜなら今シーズンは参加者全体の指名が低調で、例年と比べても重賞馬の指名漏れが多い。そのおかげで上位に食らいつけている。

全体的な低調の理由として一つ挙げられるのは木村哲也厩舎だろう。関東屈指の馬質を誇る厩舎で、入厩リストを見返すと見覚えのあるような名前ばかりでたじろいでしまう。それにもかかわらず、自分のところのPOGでは3頭ほどしか指名がなかった。2月で解散する藤沢厩舎の方が多いんじゃないかという有様である。どうしてこうなったのか。

木村哲也厩舎を避けていては、イクイノックスもジオグリフもプレサージュリフトも指名できない。とくにイクイノックスは手痛い指名漏れである。繰り返すが、木村哲也厩舎は関東屈指の馬質を誇る厩舎である。軽視すべきではなかった。

とはいえ、これを教訓に来年は木村哲也厩舎を指名しよう‥‥という風にはならないだろう。うちのPOGはチョコ(隠語)を賭けてないので、キムテツを指名してでも勝ちを目指そうという雰囲気にはおそらくならない。

エピファネイア

牝馬クラシック戦線の中心は国枝厩舎のサークルオブライフ。当然のように指名漏れだった。

これでエピファネイアは3世代連続でG1馬を輩出。2歳リーディング争いは惜しくもディープインパクトに最後に交されてしまったが、次世代のトップサイアーとしての地位を着実に固めつつある。谷間の3世代目で結果を残せた意義は大きい。

3世代を通してエピファネイアについて理解できたことは、決して簡単な種牡馬ではないということ。勝ち上がり率は決して低いわけではないが、ディープインパクトキズナと比較すると大きく劣る。その一方でG1級の大物をコンスタントに輩出できる。種牡馬としてのキャラはディープよりはステイゴールドハーツクライに近い。

何よりも厄介なのが、大物が分かりづらいこと。3頭のG1馬は決して前評判の高い馬ではなかった。デアリングタクトもエフフォーリアも募集時に人気になるような馬ではなく、牧場や厩舎のPOG取材で大きく扱われるような馬ではなかった。サークルオブライフにしても同様で、夏の終わりにはデビューできるような進捗状況だったにもかかわらず、千代田牧場や国枝厩舎のPOG取材ではノータッチ。JRA-VANやnetkeibaのPOGならいざ知れず、ドラフト制のPOGで指名するのはほぼ不可能だろう。

後付けで配合を褒めることはできる。マテンロウレオと同じくGreat Lady M.の牝系で、母母プレシャスライフがタイキシャトル×Storm Catのニックス配合。母シーブリーズライフはHalo3×4、Caerleon3×4、Nijinsky≒Storm Bird4×4・5のインブリードで、ここにエピファネイアを配することで緊張と緩和が成り立っている。だからといって特に評判がいいわけでもないアドマイヤジャパン肌の日高生産馬を好んで指名できるだろうか。

よってエピファネイアは災害のようなものだと思った方がいいかもしれない。頼れる種牡馬というよりは、有力馬の指名漏れを続出しPOG参加者を泣かせる存在である。もっともオーソクレースやフォラブリューテのような走る評判馬もいるわけだから、敵とは一概に言い切れない。地震や台風のように上手く付き合っていかなければいけない種牡馬だろう。

*1:和解おめでとう