ジョイナス最後の戦い

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【競馬】2021-2022世代備忘録(サークルオブライフなど)

アルテミスステークス

サークルオブライフは60.5-33.5の差し切り。まるで60.8-33.3でメジャーエンブレムを差し切ったデンコウアンジュのようだった。デンコウアンジュはクラシックでは今一つだったが、その後は重賞2勝してVMでは2着にきていたように決して弱い馬ではなかった。

サークルオブライフの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ディープインパクトハーツクライがそうであったように、エピファネイアもスプリント・マイル色の強い繁殖との配合が合っているように思える。サークルオブライフの母シーブリーズライフはアユサンメイショウマンボと同期の馬で、クロッカスSを勝って桜花賞に出走した。その母プレシャスライフはタイキシャトル×Storm Catのニックスを持つ馬で、今年の菊花賞に出走したヴェローチェオロを出すなどなかなか仔出しのいい繁殖だ。

ベルクレスタの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

2着のベルクレスタはKingmambo≒Numerous3×2のニアリークロスが光る好配合馬で、デビュー前から僚馬を調教で子供扱いしていた。それだけに新馬戦で千切られてしまったのがショックだったが、決してこの馬が弱かったわけではなかった。それをきちんと証明する2着だったと思う。

ベルクレスタの好走は、ベルクレスタに圧勝したセリフォスの強さを改めて示すものでもあった。ところがセリフォスの次走は鞍上藤岡佑介でデイリー杯。主戦の川田に捨てられる形になってしまった。

萩ステークス

川田が選んだダノンスコーピオンが萩Sを制した。

1000m通過63秒に耐え切れず先に動いてしまったキラーアビリティをクビ差捉えての勝利。キラーアビリティとは騎手の差としか言いようがなく、ダノンスコーピオンとキラーアビリティの力に差はないように思えた。キラーアビリティは次走に福永やルメールあたりが乗るなら重賞でも勝ち負けできるだろう。

1800のスローをこなしたものの、川田のコメントも「よく我慢した」というニュアンスで、長い距離は向いていないことを伺わせる。おそらくセリフォスと朝日杯で激突することになるだろう。

ダノンスコーピオンの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

母レキシールーは牝馬ながらカナダのダービー(クイーンズプレート)を制し、米加の芝中距離路線で活躍。アーモンドアイやサートゥルナーリア同様に中距離の重賞馬との配合。また母母Oneexcessiveniteは現代競馬における傍系の血ばかりで構成された馬で「1/4傍系」配合でもある。

大物感があり、カナロア産駒ながら距離もこなせそうな配合ではあるが、血統論なんて現場の評価と比べたらうんこみたいなもんだと思わないとアカン(自戒)。

リアド

1週間前にデビューした4.7億円ホース・リアドが強かった。萩ステークスと同じ舞台で、かつダノンスコーピオンよりも1秒以上詰めた時計で勝利。そのうえ上りも萩Sのダノンスコーピオンと変わらない(33.5)。今開催の阪神が風の影響で上りのかかるレースが続いていたことを考えれば破格の内容。この馬も間違いなく強いだろう。

【競馬】2021-2022世代備忘録(コマンドラインなど)

POGで大人気だったコマンドラインサウジアラビアRCを勝った。

勝ち時計1:36.4は遅く、1000m通過62.6はもはやマイル重賞とは思えない。ダノンプレミアム、グランアレグリア、サリオス、ステラヴェローチェと活躍馬を輩出し続けているサウジアラビアRCだが、ここまでスローなレースになると評価が難しい。

ちなみにプルパレイが勝ったアスター賞は1000m通過62.5で勝ち時計が1:36.2。だからといってプルパレイの方がコマンドラインより強いと言いたいわけではないが、今回のパフォーマンスに関して言えば、プルパレイを差せるか差せないかぐらいのものでしかなかったと思う。

とはいえルメールが途中で押し上げたことを鑑みれば数字以上の内容だった。折り合いもついていたので距離は伸びても問題がないだろう。

ちなみにプルパレイを基準に考えると、この世代の牡馬の中心は現状セリフォスやアライバルになるだろう。とりわけセリフォスは新馬戦からアドマイヤマーズと重ねたくなるような走りっぷりだった。朝日杯はまずこの馬が勝つだろう。

 

2021-2022世代にはこんな感じで触れていこうと思う。競馬は若駒を追っているときが一番楽しい。

好きな競走馬ベスト10

10位:ルーラーシップ

現役時代はそこそこ好き‥‥くらいだったけど、産駒がデビューしてからより愛着が増した。産駒を毎年POGで指名しないと気が済まない。

今のところリーディング10位圏内常連のポジションには落ち着いている。これから非SSの種牡馬が増えてきて、年々立場が苦しくなっていくのだろう。

 

9位:クロコスミア

馬主が誰であれ馬に罪はないので‥‥。

3年連続でエリザベス女王杯は本命にして、3年連続で2着。さすがに愛着抱いてしまう。

母父ボストンハーバーのおかげで先行できるけど、ボストンハーバーのせいで最後は捉えられる。そんなジレンマを抱えた馬だった。

 

8位:ロゴタイプ

長い低迷を経て復活したクラシックホース。ダートの根岸Sを走らされたり、中京記念を走らされる寸前だったり‥‥

稀勢の里(現・荒磯親方)が「アドマイヤコジーンが好き」と言っていたが、きっとこの馬のことも好きなのではないだろうか。

 

7位:フラガラッハ

12-13の中京記念を連覇。前年のリプレイでも見ているような追い込みは印象的でした。

フラガラッハ中京記念に強い理由が気になって、自分なりにいろいろ勉強しようと思った結果、血統や配合に興味を持った。フラガラッハが今の自分を作ったと言っても過言ではない。

 

6位:カデナ

この馬も長く低迷していて、一時はOP特別ですら勝負にならない有様。それだけに3年ぶりの勝利となった小倉大賞典は感慨深かった。

POGで指名していただけあって個人的な思い入れも強い。

 

5位:メイケイペガスター

共同通信杯パドックを見ていて「すごく綺麗な馬だな」と思ったのが好きになったきっかけだった。青毛は見栄えがいい。

素質を感じさせる馬では合ったけど、とにかく酷い気性難だった。皐月賞で「競馬を覚えさせ」られていた馬なんて今後見ることはないだろう。

最後は去勢手術で暴れて予後不良。生きていれば中京競馬場で乗馬としてまた会えただろう。

 

4位:ディープブリランテ

自分がちゃんと競馬を見始めた頃にちょうどクラシック戦線を争っていたのが2012世代。そのダービー馬。

フェノーメノを鼻差凌いだダービーは、自分の中のサラブレッドの「強さ」の理想になった。華麗な差し・追い込みで魅せる馬よりも、先行して粘り込む馬が好きなのは、間違いなくディープブリランテがきっかけだった。

 

3位:ジェンティルドンナ


12世代の女傑。

距離不安説を一蹴したオークスもすごかった。(ケチが付いたけど)オルフェーヴルを競り落としたJCも、横っ飛びからシリュスデゼーグルを差し切ったドバイシーマクラシックも凄かった。

でも個人的に度胆を抜かれたのは3冠目の秋華賞。4角の位置取りが後ろ過ぎて絶望的だったにかかわらず、物凄い脚でヴィルシーナに並びかけ、最後は競り勝った。「なんだこの馬は」という衝撃は、秋華賞が一番大きかった。

 

2位:ゴールドシップ

実のところ最初はそれほど好きな馬ではなかった。

転機となったのは15年の天皇賞・春ゴールドシップがスパートをかける前に勝負がついてしまうだろうと思いながら、京都競馬場のスタンドからターフを眺めていると、鞍上・横山典弘の手が動いた。なんとゴールドシップはバックストレッチから先団に取りつき、直線で逃げるカレンミロティックを捉えると急追するフェイムゲームを凌ぎきった。歴史的名騎乗という他にない。

ゴールドシップは京都は苦手」と考えていた私はゴールドシップを外した馬券を買っていた。事実、ゴールドシップは2年連続で天皇賞・春で凡走していて、15年においても2番人気ながら「どうせ今年も‥‥」というような懐疑的なムードが漂っていた。

自分の馬券はカレンミロティックを軸とした3連複で、フェイムゲームも4着だったラストインパクトも買っていた。ゴールドシップさえこなければ馬券は的中していたし、結構な額の払い戻しを受けたはずだった。しかしながら、バックストレッチを駆け上がるゴールドシップを見た瞬間、自分の馬券のことはどうでもよくなってしった。そして気が付けば「ゴールドシップ、行け!」と叫び、ゴールドシップが1位入着を確信した瞬間にはスタンドに向かって吠えていた。馬券を外した悔しさは一切なく、破天荒な走りで懐疑論を打ちのめしたゴールドシップに心の底から感動するばかりだった。

15年の春天こそが競走馬ゴールドシップのハイライトだと確信している。だから宝塚記念のことばかり話題になるのは正直愉快ではない。ゴールドシップが立ち上がって出遅れた。細江純子が「キャー」と叫んだ。だからなんだというのだ。叫んだのは俺だ。ゴールドシップが叫ばせたのは細江純子じゃなくて俺なんだ。

これからも私は「俺のゴールドシップ」を語り続けていかなければいけないだろう。ゴールドシップとは、私にそう思わせるサラブレッドだ。

 

1位:キタサンブラック

キタサンブラック | 競走馬データ - netkeiba.com

昔はキタサンブラックを強い馬だとは思えなかった。正直なところ「レースが上手いだけの話題先行の馬」だと思っていた。

自分がキタサンブラックの評価を覆すきっかけとなったのが16年の宝塚記念。初夏の仁川で1000m59.1のペースで逃げ、タイム差なしの3着。「レースが上手いだけの馬」と思っていた自分が間違っていた。キタサンブラックディープブリランテのように「粘る強さ」を持つ馬だった。この宝塚記念をきっかけに、自分はキタサンブラックの虜となった。

そして夏を越え、秋2戦目のジャパンカップ。鞍上・武豊は残り800メートルからスパートをかける。キタサンの早めのスパートに余力を潰されたライバル達は、キタサンブラックの「一人旅」を許してしまった。4歳春以降のパートナー武豊の編み出した先行4ハロン戦法は、キタサンブラックの粘り強さを最大限生かし、また上り3ハロンのキレを武器とするライバルたちを苦しめた。

ディープインパクトオルフェーヴルのような破格の能力を持った馬だったとは思わない。しかしながら粘り強さと戦略性を武器にビッグタイトルを重ねたキタサンブラックも、サラブレッドの理想形の一つといえるだろう。