はじめに
今年は指名馬ではなく、リストには入れたけど指名漏れになってしまった馬を紹介したい。
リストに入った指名漏れの馬を晒すことには2つのメリットがある。第1のメリットは、該当する馬が走ったときに「リストに入れてたんだぜ」と後出しせずにドヤれる点。そして第2のメリットは該当する馬が走ったら「リストには入れてたのに…」と後出しなしで自虐することができる点。私たちは状況に応じて好きなカード(自慢/自虐)を選択できる。
できるだけ顰蹙を買いたくないので、私は後者の立場を貫こうと思う。要するに、この記事は「自虐の予約」だと思ってもらいたい。
本指名枠
・母ココシュニック
牝 馬名:リャスナ 父:ディープインパクト 母父:クロフネ 栗・高野 生産:ノーザンファーム 馬主:キャロットファーム
・母ダリシア
牝 馬名:サトノダムゼル 父:ディープインパクト 母父:Acatenango 美・堀 生産:ノーザンファーム 馬主:サトミホースカンパニー
備考:Kダービー、ドバイWC勝ちのアニマルキングダムの半妹。日本ではダリシア産駒は今のところ大物なし。
・母ビアンカシェボン
牡 馬名:ボンディマンシュ 父:ロードカナロア 母父:フジキセキ 栗・中内田 生産:ノーザンファーム 馬主:シルクレーシング
備考:中内田とカナロア。これ以外特に言うことがない。
・母クッカーニャ
牝 馬名:スカーヴァティ 父:ロードカナロア 母父:フジキセキ 栗・西園 生産:ノーザンファーム 馬主:サンデーレーシング
備考:母も西園厩舎に所属。OPクラスまで出世した。
・母ミリオンウィッシーズ
牝 馬名:ミリオンスターズ 父:ヴィクトワールピサ 母父:Darshaan 美・宗像 生産ノーザンファーム 馬主:G1レーシング
備考:ゲート試験合格(5/25)
・母シティトゥシティ
牡 馬名:ダノンシティ 父:Medaglia d'Oro 母父:City Zip 栗・橋口 生産:ケイアイファーム 馬主:ダノックス
備考:ケイアイファームのダノン流し。6/10(土)東京・芝1800でデビュー(鞍上・武豊)。
・母マイスウィートベイビー
牝 馬名:ヒシエトワール 父:オルフェーヴル 母父:Minardi 美・木村 生産:ノーザンファーム 馬主:阿部雅英
備考:ゲート試験合格(5/25)
・母ジャジャマーチャン
牡 馬名:トオヤリトセイト 父:ドリームジャーニー 母父:アドマイヤコジーン 栗・松下 生産:社台ファーム 馬主:村田能光
備考:葵S2着のトゥラヴェスーラの全弟。小倉2歳S狙いらしい。
・母フラッテローザ
牡 馬名:マイサンシャイン 父:ゴールドアリュール 母父:ブライアンズタイム 栗・五十嵐 生産:ノーザンファーム 馬主:三田昌弘
備考:母はフリオーソの全妹。セレクトセール2017で4200万円で落札。
・母フラーテイシャスミス
牡 馬名:ラインハルト 父:ゴールドアリュール 母父:Mr. Greeley 美・金成 生産:ノーザンファーム 馬主:レッドマジック
備考:ベストウォーリアの全弟。
・母エーシンセノーテ
牝 馬名:エンゼルサンライズ 父:ハーツクライ 母父:フレンチデピュティ 栗・石坂 生産:栄進牧場 馬主:松岡隆雄
備考:母エーシンセノーテはフェニックス賞勝ち。母母セントルイスガールは小倉2歳S2着。セレクトセールを見ていて気になったが、日和って結局指名せず。
・母プリンセスカメリア
牝 馬名:フィリアプーラ 父:ハービンジャー 母父:サンデーサイレンス 美・菊沢 生産:ノーザンファーム 馬主:キャロットファーム
・母アドマイヤセプター
牝 馬名:ラディアントパレス 父:ハービンジャー 母父:キングカメハメハ 栗・中内田 馬主:サンデーレーシング
備考:母は二冠馬ドゥラメンテの全姉。母自身も良血の素質馬だったが気性難で大成できず。
・母ウィズザフロウ
牡 馬名:キタサンガトリン 父:ルーラーシップ 母父:アグネスタキオン 美・奥村 生産:ノーザンファーム 馬主:大野商事
備考:母は阪神JF勝ち馬ローブティサージュの半姉(自身は未出走)。馬主は自分の持ち馬が優勝したら歌いたいと申し出たとんでもないやつ。
【雑感】
指名されないまま終わったリスト入りのディープインパクト産駒は母ココシュニックと母ダリシアの2頭だけ。母ダリシアならともかく、母ココシュニックならたとえ育成の進捗が遅そうでも誰か指名してもおかしくないのに…。晩成傾向の繁殖だという認識が定着しているのだろうか。
今年はゴールドアリュール産駒の当たり年だと思っている。母クリソプレーズや母サマーハあたりは当然のように指名された。個人的に注目していたのは母がフリオーソの全妹の母フラッテローザ。血統は申し分ない。ただドラフト数日前くらいに「ゴールドアリュール産駒なんて上の方の順位で指名するのは馬鹿らしいよなあ」と考え直してしまったので結局手を出さず。こういう経緯があるからこの馬に走られるとけっこう哀しい。UAEダービーとか勝たれた日には茫然自失となるだろう。
個人的にこの枠で一番指名を日和ってしまった感があるのは母シティトゥシティ。ケイアイの庭先からダノックスという某プレミアムっぽいプロフィールの持ち込み馬。二匹目のドジョウ狙いで指名する気マンマンだったのに、ドラフト前日くらいに「いや、そんな上手い話はないだろ」「橋口ジュニアの厩舎の成績見てみろよ」と弱気の虫にやられて日和ってしまった。この馬が走ると一番哀しい。
マイナー枠
・母モルフェスペシャル
牡 馬名:スズカモンド 父:スクワートルスクワート 母父:スペシャルウィーク 栗・谷 生産:町屋勝幸(青森) 馬主:永井啓弍
備考:JRAブリーズアップセールで1728万円で落札。6/16(土)阪神ダート1200でデビュー予定?
・母ヤマカツセイレーン
牡 馬名:ゴールデンヘイロー 父:キングヘイロー 母父:グラスワンダー 栗・高橋康 生産:大西ファーム 馬主:駒秀
備考:スプリント重賞2賞のダイアナヘイローの全弟。名前がトウケイヘイローの父でおなじみゴールドヘイローみたいでややこしい。
・母クリヴィア
牡 馬名:シゲルシンジュ 父:クロフネ 母父:トニービン 美・水野 生産:三城ボクジョウ 馬主:森中蕃
備考:代々付けられた種牡馬がノーザンテースト、サンデーサイレンス、トニービン、クロフネ。良くも悪くもシゲルらしくない血統。
・母ホワイトクルーザー
牡 馬名:ハヤブサナンデクン 父:ゴールドアリュール 母父:クロフネ 栗・吉村 生産:グランド牧場 馬主:武田修
備考:母の半妹は砂の女傑サンビスタ。なお馬主と牧場は仲違いした模様。
・母ドリームバラード
牡 馬名:ジグソー 父:ゴールドアリュール 母父:タニノギムレット 栗・松下 生産:タイヘイボクジョウ 馬主:石川達絵
備考:シルポートやサウンドオブハートやカフェブリリアントを輩出したフジャブ牝系出身。
・母プレッピー
牡 馬名:ダウラギリテソーロ 父:サウスヴィグラス 母父:タニノギムレット 美・奥平 生産:辻牧場 馬主:了徳寺健二ホールディングス
備考:グリチャの2歳馬特集で見て気になった馬。大きくて躍動感がありそうだったのでリスト入り(しかし指名せず)。
・母ラシーク
牡 馬名:不明 父:シニスターミニスター 母父:スタチューオブリバティ 厩舎:不明 生産:日進牧場 馬主:不明
備考:キングズガードを輩出した日進牧場の生産。A.P. Indy≒Charming Lassie3×3と攻めた配合。
・母ソーラーヴィジョン
牡 馬名:コウエイバンビーノ 父:シニスターミニスター 母父:タバスコキャット 厩舎:不明 生産:野坂牧場 馬主:伊東政清
備考:Missy Baba7×5とMy CharmerとSex Appealを通じたStriking=Busher=Mr. Busher≒Busandaクロスねらい。
・母クロスシーカー
牝 馬名:インマイレーベン 父:ジャスタウェイ 母父:Cape Cross 厩舎:不明 生産:いとう牧場 馬主:薪浦亨
備考:晩成傾向が予想されるジャスタウェイ×いかにも早熟そうなDanzig3×3の繁殖。遅生まれで情報が少なかったので結局日和って指名せず。
・母ケイティーズギフト
牡 馬名:ダディーズマインド 父:トーセンホマレボシ 母父:フレンチデピュティ 美・青木 生産:スカイビーチステーブル 馬主:田島大史
備考:トーセンホマレボシは父ディープインパクト同様に母父フレンチデピュティと相性よし。半兄は函館記念2着のケイティープライド。半姉ケイティーズネイルは川田ブチ切れ事件の当該馬。
・母スリーベラミ
牝 馬名:スリーヘブン 父:ハービンジャー 母父:ディープインパクト 栗・橋田 生産:辻牧場 馬主:永井商事
備考:橋田厩舎×永井オーナーなら児玉武大助手(純子の旦那)が担当するのではないかと思いリスト入り。橋田厩舎×ハービンジャー牝馬の組み合わせからは2頭のOP馬(ディアドラとレイホーロマンス)が輩出。
・母シェアエレガンス
牡 馬名 ジャスパーケイ 父:マンハッタンカフェ 母父:ラムタラ 栗・森(?) 生産:橋本牧場 馬主:加藤和夫
備考:天皇賞馬ヒルノダムールの全弟。ルメールと一緒に派手にラチに突っ込んだファーガソン(産駒が今年デビュー)の全弟でもある。
・母ポジショントーク
牡 馬名:不明 父:マンハッタンカフェ 母父:シンボリクリスエス 栗・友道 生産:伏木田牧場 馬主:丸山担
備考:エリザベス女王杯2着のシングウィズジョイと100%同血の配合。
【雑感】
このあたりの馬は情報の裏付けがほとんどなく、その場のノリで選んでるような馬ばかりなので走られてもそこまで気にならないかもしれない。
強いて言うなら、けっこう信憑性が高いと思っているトーセンホマレボシ×フレンチデピュティのニックスの母ケイティーズギフト、割とガチ目に配合研究をした(つもりの)シニスターミニスター産駒2頭(母ラシーク、母ソーラービジョン)に走られると哀しいかもしれない。
あと肝心なやつを忘れていた。母モルフェスペシャルはどうやら指名馬とデビュー戦がかぶってしまうらしい。リストに残った指名漏れの馬に負けてしまうのはいたたまれない。考えただけでゾクゾクする。