今年は一気に13頭。
1位 セリエンホルデの2020
馬名:未定
父:ロードカナロア
母:セリエンホルデ
性別:牡馬
馬主:ラ・メール
生産:ノーザンファーム
セリエンホルデの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
クラブにもセレクトも姿を見せなかったシュネルマイスターの半弟。なんとラ・メールが庭先で購入していた。
ラ・メールはここ数年で参入してきた馬主で、率直に言えばセレクトセールでハズレを掴まされてばかりの持っていないオーナーだ。つまり、キーファーズと近い立ち位置だった馬主が、G1馬の弟を庭先で購入したのである。
キーファーズが庭先で購入した馬といえばドウデュースとマイラプソディ。前者はダービー馬であり、後者もなんだかんだで期間内に6170p稼いでいる。「キーファーズに対するノーザンの補填ではないのか?」と噂されるぐらいには、いい馬が続けて庭先で取引され続けているわけだ。セレクト購入馬はさっぱりなのに‥‥
こうした勘繰りから、セリエンホルデの2020も、ドウデュースやマイラプソディと同じパターンではないかと推測。他に特にピンとくる馬もいなかったので、今年のドラフト1位として抜擢した。
配合的に見ても、「ロードカナロア×中距離の大レースを勝った牝馬」という鉄板の配合。3歳世代もカナダのダービー馬を母にもつダノンスコーピオンが大活躍だった。きっとセリエンホルデも合うだろう。
2位 ライツェントの2020
馬名:フリームファクシ
父:ルーラーシップ
母:ライツェント
性別:牡馬
馬主:金子真人ホールディングス
生産:ノーザンファーム
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1か月くらい前までは1位指名を考えていた馬。
なぜなら、この馬が須貝厩舎のラインナップで調教師のトーンが1番高かった馬だから。須貝厩舎の期待馬は一昨年のステラヴェローチェ、昨年のプルパレイが共に期間内で重賞勝ち。今年もベタに一番期待されている馬を狙おうと考えていた。
しかしながら、3月の取材時の須貝師のコメントがステラやプルパレイの時ほどトーンが高いものではなく、つい先日には「夏場はゆっくりさせて、成長を待ちます」とアナウンスされてしまった。よって評価を落とさざるを得なかったのだが、他の参加者に指名されるのは癪だったのでこの順位。
3位 カヴェルナの2020
馬名:ガルヴァナイズ
父:リアルスティール
母:カヴェルナ
性別:牡馬
馬主:佐々木主浩
生産:ノーザンファーム
ガルヴァナイズ | 競走馬データ - netkeiba.com
1位、2位ともに秋以降のデビューになりそうなので、6月デビューの馬がどうしても欲しかった。超エリートのノーザン先発部隊だから、たとえここで負けたとしても後々巻き返してくれるのではないか‥‥ぐらいの淡い期待をかけている。
デビューは6/18の阪神芝マイル。早期デビューが人気といえども、調教の進捗上目立ちがちな1,2週目デビューと比べればこの番組の出走馬は落ち着いた人気になりがちのような気がする。
相手は松下厩舎のサンデーR×ハーツクライ牝馬、大久保龍厩舎のゴドルフィン×Frankel産駒、2歳戦に強い西村厩舎のエピファネイア産駒となかなか揃っている。その中でも厩舎の格は断トツ‥‥というのが指名の決め手で、逆を言えばそれ以外に強調したい材料はない。
4位 ワイルドラズベリーの2020
馬名:ランフリーバンクス
父:エピファネイア
母:ワイルドラズベリー
性別:牝馬
馬主:藤田晋
生産:ノーザンファーム
ランフリーバンクス | 競走馬データ - netkeiba.com
サイバーエージェント藤田晋オーナーが昨年セレクトセール1歳セクションで落札。
Sadler's Wells=Fairy King4×3、サンデーサイレンス4×3、Seattle Slew5×5の父母相似配合。Northern Dancerの強いクロスを持つ母に対し、Northern Dancerのアウトブリードのエピファネイアを配している。牝系もそこそこ筋が通っているので、セレクト時から目を付けていた。
しかしながら、POG媒体におけるこの馬の扱いは目立たない。オーナー所有の2歳馬が各POG媒体でも話題になっている中、当馬は春先の時点で430キロほどしかなく、本州への移動が夏以降なので、特に取り上げるほどでもない、というのが実情かもしれない。ただデアリングタクトにしろエフフォーリアにしろ、ドラフトの時期では無名の存在だった。ノーザンFでも走るエピファネイア産駒の傾向は未だに掴み切れていないという。偉大な先輩たちのようにこの先化けることを期待したい。とはいえ、この順位では高値掴み感は否めないか。
5位 レディイヴァンカの2020
馬名:コンエネルジア
父:Frankel
母:レディイヴァンカ
性別:牡馬
馬主:サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム
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6/11東京芝1400mでデビュー。1,2,4位と遅め始動の馬を立て続けに指名したこともあり、この順位では早期デビューの馬を指名することしか頭になかった。
フランケルと北米血統の配合は日本でも活躍馬が多数出ていて、Frankel×ヘネシーはモズアスコット、ミスエルテ、モンファボリなどを輩出。母母Lady Leftennantはノーザンダンサーとミスタープロスペクターの血を引かない傍系の血統で、ガリデイン配合(Northern Dancer3×4)のFrankelにマッチしそうだ。
血統の字面通りの快速馬としてマイル戦線を沸かせてほしいところだが、デビュー1週前にもかかわらず陣営のトーンが上がり切らないのは気がかり。繰り返すが、たとえここで負けたとしても後々巻き返してくれるのではないか‥‥ぐらいの淡い期待でいきたい。
6位 プレシャスドロップの2020
馬名:ホウオウプレシャス
父:イスラボニータ
母:プレシャスドロップ
性別:牡馬
厩舎:美浦・栗田徹
馬主:小笹芳央
生産:岡田スタッド
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ノルマンディー育成で評価が高い馬。
「2000mまで持ってくれれば、クラシックを狙える」とコメントが出ているが、体形からして距離が持つようには思えない。それどころかフジキセキ系にDeputy Ministerだからダートを走っててもおかしくはない。だとしてもそれはそれでOK。ホウオウルーレットくらい走ってくれれば十分夢が見れる。
「重賞級」と言われ、頂上まで登り切ったエピソードが語られたタイトルホルダーほどではないが、クラシックがイメージできなさそうな血統で「クラシックを狙える」はアツいコメントだと思うので素直に受け取りたい。昨年度はウインモナークでちょっと夢を見ることができたので‥‥*1
7位 ギガンティアの2020
馬名:ウインフィエルテ
父:シャンハイボビー
母:ギガンティア
性別:牝馬
馬主:ウイン
生産:斉藤スタッド
ウインフィエルテ | 競走馬データ - netkeiba.com
募集コメントが「永くお世話になった調教師へ定年前に重賞、G1をプレゼントしたくて加用厩舎に預けます」「厩舎が好みでない人は出資をご遠慮ください」と生前の総帥を思わせるような吹きっぷり。稀代のコメディアンの魂は袂を分かったはずの息子に受け継がれていた。涙が出るね。
大言壮語も甚だしいと思いきや、育成ではCVFの坂路で素質を感じさせる動きを見せている。ウインは3歳世代も好調で勢いに乗っているので、ラッパに踊らされる覚悟で指名した。難しい面もあるみたいだが、G1をプレゼントしてもらえる見返りに加用厩舎がなんとかしてくれるだろう。
父シャンハイボビーはHarlan's Holidayの産駒。Harlan's Holidayは北米リーディングサイアーInto Mischiefの父であり、日本ではアルビアーノやエスメラルディーナが活躍した。調教師にG1をプレゼントするならアルビアーノ以上の逸材であってほしいところ。マイネルエクソン(中央未勝利)の再来にはならないでほしい。
8位 モアザンセイクリッドの2020
馬名:ドゥレッツァ
父:ドゥラメンテ
母:モアザンセイクリッド
性別:牡馬
馬主:キャロットファーム
生産:ノーザンファーム
ドゥレッツァ | 競走馬データ - netkeiba.com
尾関厩舎連続指名もついに5年目に突入。レッドファルクス、グローリーヴェイズを輩出した厩舎だが、ノーザンの評価はあまり高くない。重賞馬の出来の悪い弟(妹)を預けられ、遅めのデビューで勝ち上がれず‥‥ということを毎年繰り返しているイメージ。
そういう意味ではドゥレッツァはいいかもしれない。「〇〇の弟」といった背景でなく、馬の動きだけで評判になっているからだ。VANの2歳馬カタログでもノーザン空港の担当スタッフが素質を絶賛し、「皐月賞を目指したい」と意気込むほど。もっとも母の産駒のJRA勝利が未だに0なのが気になるが、穴っぽい順位としては狙うのはアリだろうと思い、この順位で指名した。
母モアザンセイクリッドはニュージーランドのオークス馬。母父More Than Readyはジャングロの父、あるいはカフェファラオの母父として注目を浴びている。More Than Ready×デインヒルなんて配合でオークスを勝てるわけだから、雑な血統論は振りかざすものではないと改めて実感する。
つい先日入厩し、そのまま美浦に移動。ゲート試験だけ受けて、天栄で乗り込みという流れになるだろう。最速で夏の新潟で使ってもらえるかもしれない。
9位 Grace Is Goneの2020
馬名:未定
父:Mendelssohn
母:Grace Is Gone
性別:牡馬
馬主:不明
生産:米国
OBSスプリングセールで中内田充正調教師が130万ドルで落札。
父Mendelssohnは北米リーディングサイアーInto Mischief、名牝Beholderの半弟で、自身もG1馬。個人的にはUAEダービーの圧勝が未だに忘れられない。
中内田師は同セールで他にInto Mischief産駒を1頭落札した。そちらの方が試走のタイムもブラックタイプも良いが、落札価格は82.5万ドル。馬そのものの評価は本馬の方が上ということだろう。デビューが秋以降になることを差し引いても、指名するだけの魅力を覚えた。
なお中内田師がこれまでに海外セールで落札した3頭のうち2頭は中央未勝利。唯一勝ち上がったマテンロウゴーストは2勝クラスを勝ちあがったところで引退。およそ成功とは言い難いが、この結果に対しては3頭ともに日本には合わなそうな欧州血統の馬だというエクスキューズはできる。師がロバート・フランケル厩舎の調教助手だったことを鑑みると、バリバリの北米血統でこそ期待が持てるというもの。
10位 アンソロジーの2020
馬名:ビターグラッセ
父:ルーラーシップ
母:アンソロジー
性別:牝馬
厩舎:美浦・栗田徹
馬主:山口功一郎
生産:ノーザンファーム
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こんな順位まで残っていたので指名。
馬名の由来はウマ娘のNPC‥‥というのは指名後に知った。山口オーナーが2歳馬にハッピーミーク他NPCの名前を付けたという話は聞いたことがあったが、ゲームの方には長らく手を付けていないのでビターグラッセがそれだとは気づかなかった。なんにせよ、デビュー時には間違いなく話題になるだろう。
栗田徹厩舎の牝馬ではノーザンの評価が高いアイリッシュパール(ホームカミングクイーンの2020)を狙っていた(2位で消える)。しかし厩舎の評価はこちらも高く、4月はじめにはゲート試験に合格し、早期デビューの態勢が整っていた。
6/19東京芝1600でデビュー予定。鞍上は福永を予定。この厩舎とオーナーのコンビは田辺のイメージが強い。そこにわざわざ福永が営業をかけてくるだけの馬、ということだろうか。こう思うと期待度は増す。
11位 ルルパンブルーの2020
馬名:サトノシトラス
母:ルルパンブルー
性別:牡馬
馬主:サトミホースカンパニー
生産:千代田牧場
ルルパンブルーの2020 | 競走馬データ - netkeiba.com
久々に池江厩舎を指名。アルアインの大阪杯以来G1を勝てておらず、昨年は全国リーディング12位と低迷(一桁台が当たり前の厩舎なので‥‥)。里見オーナーは国枝、堀、友道などの他の有力厩舎に接近。池江×里見ラインも陰りを見せ、苦しい立場だった池江厩舎だが、今年は現在全国リーディング1位と巻き返しを見せている。復活の背景には所属の水口騎手をはじめ、負傷離脱していたスタッフの復帰が大きいようだ。
馬そのものは「早めのデビューも見込める」とのコメント。それゆえ速攻系のつもりで指名したのだが、入厩の情報は未だにない。夏の小倉に使ってもらえればいいのだが。
サトノダイヤモンド産駒は父に似て脚長ですらっとした馬が多い印象だが、この馬は母系のずんぐりとした母系の影響を感じる。母ルルパンブルー(フェアリーS)のようにスピードを活かした競馬をしてほしい。
12位 リープオブフェイスの2020
馬名:マイディーレマイ
父:ルーラーシップ
母:リープオブフェイス
性別:牡馬
馬主:金子真人ホールディングス
生産:追分ファーム
マイディーレマイ | 競走馬データ - netkeiba.com
昨年亡くなった名繁殖ニキーヤのひ孫を、金子×友道の強力タッグが手掛ける。それ以上の指名理由は正直なところない。
指名した後で丸ごとPOGの追分F・吉田正志マネージャーのインタビューで触れられていたことに気付く*2。春の時点で530キロ(?!)台で、秋の移動が目標らしい。つまるところ、最速でもデビューは11月ぐらい。何なら年明けも濃厚。知ってたら間違いなく指名を渋っていただろう‥‥。
13位 スマートオーシャンの2020
馬名:スマートアイ
父:ヘニーヒューズ
母:スマートオーシャン
性別:牝馬
厩舎:栗東・寺島良
馬主:大川徹
生産:三嶋牧場
スマートアイ | 競走馬データ - netkeiba.com
母スマートリアンは名繁殖。産駒の重賞勝ちこそないものの、中央10勝のスマートダンディをはじめ、3頭の現役OPを産んだ。POG期間で本領発揮というタイプではないが、とにかく堅実。
厩舎もヘリオス等ダートで良績が多いイメージ。あわよくば期間内2勝を期待。
総評
欲しかった馬はアイリッシュパール(ホームカミングクイーンの2020)とマテンロウプラウド(ウィズアミッションの2020)。前者は小柄ながら超良血で評判が高く、後者はドゥラメンテ産駒の配合として理想的。振り返ってみると牡馬クラシック狙いの指名が少ないので、後者は指名したかったところ。
毎度のことだが指名のプランニングがガバガバなので気が付けばマイル近辺の馬を数多く指名してしまう。POGはダービー馬を指名するゲーム*3だと思っているが、いざ参加すると悪癖が出てしまう。指名プランをきっちり立てた上でドラフトに臨む必要があると実感。
もう一つ反省点を上げるとしたら、下位の指名候補のリサーチも甘かった。ビターグラッセがウマ娘の名前だと気づかないのもその証拠。他の参加者の総評を読んでいると、速攻系狙いにしろ、ロマン指名にしろ、自分よりも徹底していた。それに比べて自分は中途半端だったと思う。来年は時間がないとか、めんどくさいとか言わずにしっかりと考えたいものだ。