ジョイナス最後の戦い

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2023年7月第5週 —プレイリスト(2023年7月分)―

音楽ブログなので月の最終週はその月によく聴いた曲を10曲プレイリストにして紹介する。

Stop Me — NONA REEVES 

風の谷のナウシカ — ザ・なつやすみバンド

More Than This — Roxy Music

Stolen Fruits — Tank and the Bangas

'Tis A Pity She Was A Whole — David Bowie

Dreamer — Kiefer

Stolen Moments — Ahmad Jamal Trio

Oblivion — Max Ionata, Jesper Bodilsen, Martin Maretti Andersen

'Round Midnight — Miles Davis

Ornithology — Bud Powell

 

ジブリ作品を見るのは「借りぐらしのアリエッティ」以来。なんというか感心する作品だった。感動と言うよりは感心。話は大方オルフェウス*1の冥府入りがモチーフと思われてるけど、異界から取り戻すのが恋人でも妻でもなく継母なのがまず凄い。そのうえ継母をこの世界と重ね合わせるんだから。子供にとっての継母。悪意と戦火に染まった世界。どちらも本来なら愛すべきものであり、同時に受け入れがたいものだ。"この世界は継母である。"言葉にしてみるとなんか大喜利のような感じだけど、一見接点のなさそうなものたちをメタファーとして結びつける創造性には感心するしかなかった。感動ではなく感心だったのは、終始眞人の行動を特に感情移入することなく他人事として見ていたからだろう。まぁそれでいいんだけど。物語に感情移入が必要とかいう考えはクソなので。

「難しい」という評判だったのでけっこう身構えて見に行った。でもそれは杞憂で、目まぐるしく流れる映像を捉えながら意図を考察するというマルチタスクを思いのほか楽しんでいた。塔を駆け上がる眞人とアオサギを目で追いながら、頭はインコ大王*2の意味を考えている、みたいに。直接的に感受されるもの。抽出しなければ見出せないもの。前者は受け身でもいいけれど、後者はある程度能動的にならないと捉えられない。受動と能動を忙しなく両立させることが〇〇鑑賞における醍醐味だと実感した。ほぼスポーツといっても過言ではない。こうした意識的作業こそが肝心であって、その成果物、つまり受容したコンテンツがどうであったかを批評することはどうでもいいことかもしれない。極論だけど。

他の宮崎作品同様に寓意に溢れた内容ではあったけど、ジブリ作品ないしは宮崎駿に対する知識がなければ理解できない作品ではなかったと思う。ただ「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎)を事前に読んだうえで見た方がいいかもしれない。同作品の内容を知っていることが前提の場面があったので(ちなみに自分は未読です)。

 

  • 今月のファンアート

ブログに入れて・なんかずっと更新するところ・日本の宝

ブロガーが更新するまでモブを捕食し続けるセイレーンのファンアートです。

*1:眞人の弓もオルフェウスの竪琴と同じく「弦」を縦に張るものだ。

*2:体が大きく「冠」があるインコはもはや「オウム」だ