ジョイナス最後の戦い

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【2020-2021世代・重賞馬】ピクシーナイト

ピクシーナイト

馬名:ピクシーナイト

父:モーリス 母:ピクシーホロウ 母父:キングヘイロー

調教師:音無秀孝

馬主:シルクレーシング

生産者:ノーザンファーム

戦歴:2-0-1-0

主な勝ち鞍:シンザン記念

ピクシーナイト | 競走馬データ - netkeiba.com

デビューして2戦は控える競馬を試みていたが、シンザン記念で突如逃げを打ち、モーリス産駒最初の重賞勝ちを収めた。

シンザン記念の勝ち時計そのものは優秀だが、勝ち方はトラックバイアスの恩恵を感じるようなものだった。バスラットレオン(朝日杯4着)やククナ(アルテミスS2着)に完勝しているので弱くはないが、3歳マイル路線のトップと渡り合えるかどうかと言われると正直判断しかねる。

 

モーリスとBold ReasonNever Bend

モーリスの母父カーネギーにはBold Reason≒Never Bend3×3を持つ。このニアリークロスはIn the WingsHigh ChaparralSt Nicholas Abbey、Waldgeistといったサドラーズウェルズ系の名馬に見られる。

現3歳世代のOP級のモーリス産駒のほとんどが母方にBold ReasonまたはNever Bendを持ち、Bold ReasonNever Bendを継続している。

ピクシーナイトの配合

ところが肝心のピクシーナイトの母方にはNevere BendもBold Reasonもない。その代わり、母父キングヘイローの牝祖SquanderがBusinesslike≒Bimelech3×4のニアリーがある。

Bold ReasonNever Bendは双方の母母父のBimelechを通して名牝La Troienneの血をクロスさせている。モーリスを語る上でこのLa Troienneは欠かせない。なぜならLA Troienneはスクリーンヒーローとモガミの牝祖でもあるからだ。つまりモーリスは3代にわたってLa Troienneの血脈を重ねられた配合といえる。モーリスがNever Bend(Bold Reason)持ちの牝馬との間に有力馬を輩出しているのも、Bimelech経由でLa Troienne血脈の増幅をしているからと推察できる。

ピクシーナイトはBold ReasonNever Bendを持たない代わりにSquanderのBusinesslike≒BimelechでLa Troienneの増幅をしていると考えられるだろう。さらにいえば母方のオジジアンの母父Francis S.がBusinesslikeの全姉Big Eventを牝祖とする血統でだ。つまりピクシーナイトもモーリスと同じく祖母から3代にわたってLa Troienneの血を重ねた配合といえる。

 

種牡馬モーリス

ドラフトシーズン前に育成牧場の坂路コースでの動きが話題となったモーリス産駒。

評判馬がデビュー戦で案外な走りを見せたり、キレのなさを露呈したりと、個人的にはネガティブなイメージが先行していた。しかしながら初年度の勝ち上がり数は29頭で、ロードカナロア(30頭)、エピファネイア(30頭)、キズナ(27頭)に匹敵する*1。シーズン当初の絶望感を思えば健闘している。

モーリス自身は重厚な見た目にに反して上り競馬に対応できる馬だったが、産駒の武器はロベルト系らしい持続力やモガミっぽい粘着力のように思える。レガシーワールドみたいな産駒が出てくるのを期待したい*2

*1:ちなみにドゥラメンテは32頭

*2:「モーリス産駒は騙馬にしろ」って言いたいわけではないです