ジョイナス最後の戦い

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【2020-2021世代・重賞馬】タイトルホルダー

タイトルホルダー

馬名:タイトルホルダー

父:ドゥラメンテ 母:メーヴェ 母父:Motivator

調教師:栗田徹

馬主:山田弘

生産者:岡田スタッド

戦歴:2-1-0-1

タイトルホルダー | 競走馬データ - netkeiba.com

弥生賞東スポ杯、ホープフルSで屈したダノンザキッドに雪辱し、ついにその名の通り重賞のタイトルを手にすることができた。

この馬の武器は先行力。操縦性に関しても進展を見せ、道中で引っ掛かり、コーナリングの拙さも露呈したダノンザキッドとは対照的だった。

 

岡田スタッド

POG本で岡田スタッド関係者に絶賛されていたので、注目していた人は多かっただろう。

自分の覚えている限りでも「重賞級の自信がある」「カツジの時と同様の手応え」「坂路の山の上まで登っていったのはスマートファルコンマツリダゴッホとこの馬だけ」という尋常ではない期待の大きさが伺えた。

岡田スタッドが吹いていた馬といえば、マキオ様に「生まれた時から違いました」と言わしめたザスリーサーティを思い出す。ザスリーサーティも順調だったらデアリングタクトとまではいかなくても、タイトルホルダーくらいは活躍しただろうか。

 

ドゥラメンテ

フレッシュサイアーリーディングを大逆転で制したドゥラメンテだったが、産駒の初重賞制覇はモーリスから2か月遅れることとなった。

今のところ超大物は出ていないが、現在11頭のOP馬を輩出している。これは3歳世代ではディープインパクトに次ぐ数字だから大したものである。

ちなみにOP馬11頭のうち9頭の母にはサンデーサイレンスのクロスがない。


ドゥラメンテの現役最後の行進 パカパカ歩き 2016宝塚記念パドック

現役時代のドゥラメンテパドックで前肢を前に突き上げるような歩様を見せていた。並外れたしなやかさを持っていたドゥラメンテの仔には、サンデーサイレンスのクロスは必要ないのかもしれない。

【2020-2021世代・重賞馬】エリザベスタワー

エリザベスタワー

馬名:エリザベスタワー

父:Kingman 母:Turfdonna 母父:Doyen

調教師:高野友和

馬主:社台レースホース

生産者:Shadai Farm(英)

戦歴:2-0-0-1

エリザベスタワー | 競走馬データ - netkeiba.com

チューリップ賞ではメイケイエールの陰に隠れて行きたがる様子を見せたが、川田のエスコートによって同着1位重賞初制覇を成し遂げた。

現3歳世代の牝馬は粗削りな馬がやたら多い気がする。コロナ禍と何か関係があるのだろうか。

 

吉田照哉インタビュー理論

「丸ごとPOG」の社台ファーム吉田照哉社長インタビューを毎年楽しみにしてる。照哉社長は期待馬に対しては「これはグンバツ」とか「超大物かもしれない」といった割と分かりやすい賞讃を送るので参考になる。

一方弟のNF吉田勝己代表インタビューは「いい馬ですよ」とか「夏には移動する予定です」*1といった淡白なコメントばかりで味気ない。もっとリップサービスをしてほしいものだ。

エリザベスタワーの話に戻そう。インタビューで照哉社長は同馬を「ちょっとパワーが違うかな」と評している。照哉社長の言葉は正しかった。川田将雅をもってしても制御に苦心するほどのパワーをエリザベスタワーは私たちに見せつけた。我々が信じるべきは落合でも税理士でもない。吉田照哉だ。

しかしである。照哉社長を信じていたにもかかわらず、私はエリザベスタワーを指名していない。なぜならエリザベスタワーではなく、照哉社長が「間違いなく走る」と大絶賛したグラヴィル(ラクレソニエールの全妹)を指名したからだ。「間違いなく走る」と評されたグラヴィルだが、なぜか未だに出走していない。

 

Kingman

エリザベスタワーの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

エリザベスタワーはKrisとDanzigとMill Reafをクロスした父母相似配合となっている。注目すべきはKIngmanの父の母父Krisだ。

Kingmanの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

Krisの祖父エタンはMixed Marriageの直仔で、AloeとPretty Pollyの血を引く。またKIngmanの母父ZamindarはGone Westの直仔だが、Gone WestもMixed Marriageの牝系だ。Mixed Marriage経由のAloe+Prettey Polly増幅がKingmanの配合のキモだろう。エリザベスタワーはKrisをクロスさせることで、父のAloe+Pretty Pollyをより強調させている。

Persian Kingの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

同じことが父の他の産駒でもいえる。仏GI3勝のペルシアンキングはKris=Diesisの全兄弟クロスでAloe+Pretty Pollyを増幅している。

Palace Pierの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

セントジェームズパレスステークスジャックルマロワ賞を制したパレスピアは母父Nayefの母Height of FashionがAloe+Pretty Pollyの血統。やっていることはステラヴェローチェに近い。

【2020-2021世代・重賞馬】ステラヴェローチェ - ジョイナスのカラオケBOX

シュネルマイスターの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

今日の弥生賞に出走するシュネルマイスターもKrisのクロスがある。出世レースのひいらぎ賞を制して挑戦してくるだけに期待は高い。

ただ母方のHighest Honor(レーヴドスカーの父)を感じさせるような馬なので、自分としては広いコースの方が合う気がする。中山で世代トップクラスのダノンザキッドに張り合えるとしたらかなりのものだ。

*1:デビュー時期の情報は普通に有難い

【2020-2021世代・重賞馬】エフフォーリア

エフフォーリア

馬名:エフフォーリア

父:エピファネイア 母:ケイティーズハート 母父:ハーツクライ

調教師:鹿戸雄一

馬主:キャロットファーム

生産者:ノーザンファーム

戦歴:3-0-0-0

エフフォーリア | 競走馬データ - netkeiba.com

ダービーの有力候補の一角。共同通信杯で見せた脚は格の違いを感じさせるものだった。

死角があるとすればスローペースしか経験がない点だろう。ペースが流れがちな皐月賞に対応できるかどうかが見物だ。トビが大きい走りだから中山では府中ほど上手くは走れないかもしれない。

鞍上はG1未勝利の若手・横山武史だが、今の彼の勢いならダービーで初G1制覇を飾ってもおかしくはない。売り出し中の若武者と日本のトップジョッキーたちの攻防が今から楽しみだ。

 

鹿戸雄一厩舎

エフフォーリアは自分の参加するPOGでは指名されなかった。

ついでに言うと丸ごとPOGで吉田照哉社長絶賛のラウンドオブリバティも指名漏れだったのだが、これは鹿戸雄一厩舎が舐められていたからだろう。

鹿戸雄一の年度別成績 | 調教師データ - netkeiba.com

鹿戸雄一厩舎にはスクリーンヒーロー以外の印象に乏しいが、成績を見るとリーディング30位前後で毎年安定している。なんなら私が推している尾関知人厩舎*1と比べても遜色はない。この成績なら侮ってはいけなかったな・・・と反省。

 

Katies

自分がエフフォーリアを侮ってしまった理由は他にもあった。それは牝系が最近地味なKatiesだったからだ。

Katies牝系といえばヒシアマゾンアドマイヤムーン等で知られる一族。しかしながら牝系最後の重賞勝利は2014年のプレイアンドリアル京成杯まで遡る。

それゆえに「今どきKatiesなんて・・・」と侮ってしまったのだが、エフフォーリアの配合を見るとそのKatiesがキモになっているとしか思えなくて頭を抱えてしまった。

エフフォーリアの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

ベルラップの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

エフフォーリアはエピファネイア×ハーツクライという配合で、血統構成は京都2歳Sを勝ったベルラップに似ている。ハーツクライが晩成なのはあらためて言うまでもないが、エピファネイアの父シンボリクリスエス青葉賞に乗った武豊が「秋になったら良くなりますよ」と言うような馬だった。

どう考えても早熟性に欠けるシンボリクリスエス×ハーツクライ配合を2歳から走らせるにはパワーの補給が必要だ。ベルラップの場合はハーツとDanzidのニックスでなんとかしたと思われるが、エフフォーリアの場合は母母ケイティーズハートのRelance=ポリック4×3でパワーの供給源となっていると考えられる。それ以外にエピファネイア×ハーツクライがこの時期から走る理由が浮かばない‥‥。

*1:同じ中日ファンだからという理由だけで推している

【2020-2021世代・重賞馬】アカイトリノムスメ

アカイトリノムスメ

馬名:アカイトリノムスメ

父:ディープインパクト 母:アパパネ 母父:キングカメハメハ

調教師:国枝栄

馬主:金子真人ホールディングス

生産者:ノーザンファーム

戦歴:3-0-0-1

主な勝ち鞍:クイーンカップ

アカイトリノムスメ | 競走馬データ - netkeiba.com

母は言わずと知れた3冠牝馬アパパネ

スラっとした体型の馬で、パドックでのパッと見の印象はか弱さすら覚えた。

それでも重賞を勝ってしまうのだから、持って生まれた筋肉の質が違うのだろう。

桜花賞前に馬体が変わったら迷わず本命にしたい。

 

金子真人ホールディングス

ついに白毛馬でG1を勝つミッションまで"リアルウイポ"こと金子真人オーナー。

近年は優秀な繁殖牝馬たちの仔の活躍が目立つ反面、セレクトセール落札馬は低調といった傾向を見せる。最後に重賞を勝った金子オーナーのセレクト落札馬はシャケトラ(2017日経賞、2019AJCC、阪神大賞典)で、その前はなんとフルーキー(2015チャレンジC)まで遡る。久々の大当たりかと思われたヴェロックスも重賞に届かない。

POGで安牌をとるならセレクト落札馬よりもオーナーの繁殖の仔の方だろう。

 

ディープインパクトのラストクロップ

現2歳世代がディープインパクトの実質的なラストクロップとなる。

金子オーナー名義でデビューすると思われる2歳ディープ産駒は、まずセレクトで高額落札されたヤンキーローズの2019、アブソリュートレディの2019。

ヤンキーローズの2019 | 競走馬データ - netkeiba.com

アブソリュートレディの2019 | 競走馬データ - netkeiba.com

一方オーナーの繁殖の仔はウィキウィキの2019、ピンクカメオの2019。

ウィキウィキの2019 | 競走馬データ - netkeiba.com

ピンクカメオの2019 | 競走馬データ - netkeiba.com

アパパネやクロウキャニオン、ミスパスカリ、ウィンターコスモスといったおなじみの名前はない。クロウキャニオンの2019は父キングカメハメハアパパネらはJBISを見たところディープインパクトが付けられたようだが血統登録がされていなかった。残念極まりない。

ちなみにウィキウィキは気が付いたら坂東牧場にいた。ミスパスカリも他の牧場に移ったようだ。もう高齢だからだろうか。

【2020-2021世代・重賞馬】ラーゴム

ラーゴム

馬名:ラーゴム

父:オルフェーヴル 母:シュガーショック 母父:Candy Ride

調教師:斉藤崇史

馬主:林正道

生産者:ノーザンファーム

戦歴:2-2-0-0

主な勝ち鞍:きさらぎ賞

ラーゴム | 競走馬データ - netkeiba.com

世代の物差しポジションにいる馬。

ダノンザキッドに完敗したワンダフルタウンに差されてしまったという事実が重くのしかかる。本番では完璧に立ち回るだけでは厳しいかもしれない。

 

オルフェーヴルNashua≒Nantallah

オルフェーヴルMr. Prospector系の肌との相性がいいが、配合論的な根拠は母系に入るNantallah(グランマスティーヴンスの父父)がMr. Prospectorの母父Nashuaとニアリーであることに求められるだろう。

RobertoとミスプロとSpecial一族における、Nashua≒Nantallah的パワー増幅について再度 - 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

Nashua≒Nantallahがどういうクロスなのかは望田潤先生のブログを読んでほしい。

オルフェーヴル産駒の上級馬はNantallahに触れた配合が多い。マルシュロレーヌ以外の獲得総賞金1億円以上のオルフェーヴル産駒は母系にミスプロやロベルト、サドラーズウェルズ又はヌレイエフを持っている。

 

母シュガーショック

シュガーショックの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

母シュガーショックはMr. Prospector5×4・5、Fappiano4×4という配合。

Fappiano系こそがミスプロ系の覇者といってももはや過言ではないだろう。アメリカンファラオアロゲート等を輩出したUnbridledのラインだけでなく、亜流のCandy Rideからもガンランナーが出てきてしまった。

Mr. Prospector最良の血をクロスし、かつノーザンダンサーの濃いクロスを持たないシュガーショックの血統構成が、ノーザンテースト4×3のオルフェーヴルにマッチしたとのだろう。

ちなみに三冠馬コントレイルの母ロードクロサイトもFappianoのクロスを持つ(3×4)。

【2020-2021世代・重賞馬】グラティアス

ラティアス

馬名:グラティアス

父:ハーツクライ 母:マラコスタムブラダ 母父:Lizard Island

調教師:加藤征弘

馬主:スリーエイチレーシング

生産者:ノーザンファーム

戦歴:2-0-0-0

主な勝ち鞍:京成杯

グラティアス | 競走馬データ - netkeiba.com

無傷の2連勝もさることながら、「GIレースにもいける」というルメールのコメントが衝撃的だった。「通用する」という意味で捉えていいのだろうか。

ルメールのコメントは激アツだが、新馬京成杯とスローペースの競馬しか経験していないのでどれほど強いかは評価が難しい。

 

ハーツクライ×Danzig×Nijinsky

【2020-2021世代・重賞馬】ダノンザキッド - ジョイナスのカラオケBOX

詳しくは上記を。

ちなみにNijinsky抜きのハーツクライ×Danzigでも

とG1馬を含む5頭の期間内重賞馬を輩出してる。

 

マラコスタムブラダ

ミッキーブラック(芙蓉S)、レシステンシア(阪神JF)、そしてグラティアス。マラコスタムブラダの繁殖能力の高さを疑う者はいないだろう。

マラコスタムブラダの血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

マラコスタムブラダの父Lizard IslandはDanehill Dancer産駒でSpecialの牝系。母父のPoligloteはSadler's Wellsの産駒で仏リーディングサイアー。南米血統とは名ばかりの欧州ND詰め合わせセットだが、母母Pulmaがアウトサイダー血統。DanehillとNumber≒Sadler's Wells3×3に1/4異系を添えたバランスのいい血統構成だ。繁殖として成功するのも頷ける。

スパイダーバローズ | 競走馬データ - netkeiba.com

マラコスタムブラダの2019はハーツクライ産駒。グラティアスの全弟で、しかも中内田厩舎に入厩予定だ。早期デビュー濃厚なら間違いなく上位で消えてしまうだろう。