ジョイナス最後の戦い

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2022年11月第4週 —カデナの新しい門出を祝って―

今週もうさ太郎先生*1リスペクトでブログを書く。

 

シャフリヤールとは何者なのか。正直な話、エフフォーリアがなぜこの馬にダービーで負けてしまったのか理解できなかった。共同通信杯では迫ることすらできなかったのに‥‥。エフフォーリアが負けたのが相当ショックだった*2ので、シャフリヤールのことはあまり考えないようにしてきた*3が、G1で1番人気になるならばもう避けて通れない。

シャフリヤールを語る上で重要なレースはハイペースを耐え抜きレコード勝ちした毎日杯だ。同レースでの個人(?)ラップは13.08-10.84-10.96-11.36-11.80-11.80-11.41-11.18-11.50。前半で10秒台が続いているのは、二の脚がつかなかったシャフリヤールを川田が促した結果引っ掛かってしまったことが影響している。3コーナーあたりで折り合いがついていたが、ペースが速かったためラップをさほど緩めることができなかった。

ハイペースは追走力とスタミナが要求される。それ故に、後半のスパートで大きなスピードレンジを求められないスローペースはその反対だ。考えてみればシャフリヤールにとって共同通信杯天皇賞・秋も後者だった。共同通信杯はL2Fの伸びが今一つで、秋天はイクイノックス、ダノンベルーガにスピードの最大値の違いを見せつけられた形になっている。それどころかジャックドールの方が速い上りを使っている。

大きなスピードレンジを求められないというと昨年のジャパンカップもそうだった。前半こそスローだったが、キセキがレースをひっかきまわした結果、各馬は早めのペースアップを余儀なくされた。その中でハロン11秒を切るような走りができたのはコントレイルだけ。こういうレースは全体時計の割には上がりが遅いため、レベルが低いと見られがちだ*4

エフフォーリアに勝ったダービーもスローペースだが、L1000mからペースが上がるロンスパ戦だった。L1ハロンで他の馬たちが失速する中、シャフリヤールだけはラップを落とさなかった。L1ハロンのラップは10.99。L400あたりまで進路を見つけられず、結果としてL1ハロンが最速になるようなスパートのかけ方になったことが勝因となったと考えられる。

結論を言うと、シャフリヤールは一気にペースアップするような競馬は向かないが、スローでも漸進的にスピードアップできるような展開なら能力が発揮できるかもしれない。主導権を握るユニコーンライオン福島記念のラップを見る限り、単騎逃げからスローに落とし、早めから徐々にペースアップを仕掛けていく逃げをしていくだろう。持久力勝負に持ち込みたいテーオーロイヤルが外目の枠を引けたというも追い風だ。ならばシャフリヤール復権のチャンスは十分にある‥‥と言いたいところだが、問題はC.デムーロの仕掛けの意識といったところか。外枠を引いたことでスムーズに追えてしまいそうなのがかえって仇になってしまう可能性がある。

また、秋天は向かない流れだったとはいえ、さすがにダラしない内容だった。位置取り次第ではカラテにすら負けてたかもしれない。あれが前哨戦仕上げだったのか、あるいはピークアウトしているのか‥‥。そこは自分の見識では分からない。

‥‥ということで本命はヴェラアズールにしたい。2走前のジューンSは後にアルゼンチン共和国杯を勝つブレークアップがL1000mから動いたロンスパ戦。京都大賞典はレースの上りが33.9の瞬発力勝負。質の違うレースをどちらも完勝している。ロンスパ寄りのレースになるならば、内枠で進路取りに時間がかかることが功を奏すかもしれない。

相手はダノンベルーガ天皇賞秋で能力を示し、強気のレース選択だけに期待したいが、本調子ではなかったとはいえ5F勝負だったダービーでアスクビクターモアを交わせなかったのは気がかりだ。外枠を引いてしまったことを含め、ヴェラアズールが付け入る隙があるのではないか。

 

レース史上最多の頭数が集まってしまった。大味な競馬をする馬はなるべく避けたいところだが、大味な競馬で特別を勝った実績馬コスモサガルマータロードプレイヤーに注目したい。前者は紫菊賞を上り3ハロン10.96-10.59-11.51の豪脚で完勝。後者は百日草特別を上り5ハロンを12.41-11.78-11.21-11.06-10.99で突っ込んできた。百日草特別ですごい脚を使って差し届かず‥‥というと自分の好きなカデナを思い出すので、カデナの新しい門出を祝ってロードプレイヤーから馬券を買うことになるだろう。

大物候補のグランヴィノスは全体時計こそ遅いが、上り33.8は好印象だ。自分の記憶する限り、昨年阪神2000の2歳戦で33秒台の上りで勝ったのは自分が記憶する限りアートハウスだけ。道中で位置を押し上げながらもスパートまで我慢を効かせられている操縦性もある。コスモサガルマータとロードプレイヤーとトップナイフを世代のモノサシにして、クラシックの新星として名乗りを上げてもおかしくない逸材だ。ただ今回はカデナの門出を祝いたい。穴は酷い膨れ方をしながらも完勝したヴェルテンベルクで。いくらなんでも酷すぎるのでこんな頭数の内回りで買うのはどうかしてる気もするが。

 

ラップは以下のサイトからの引用です。

https://derbyroom.jp/

 

  • 今週聴いた音楽

Travelling Without Moving / Jamiroquai

The Bay / Suchmos

Lodger / David Bowie

In Rainbow / Radiohead

*1:おまえはブログの更新の儀式に使う・ええっ・日本の宝

*2:JOIN USはエフフォーリアが三冠馬になると本気で思っていたらしい

*3:春2戦が海外だったので判断材料に乏しかったというのもある

*4:思い返せば今年のオールカマーもそうだった‥‥